今回は、こんな不安についてです。
この記事を読むと分かること
- 医局を辞めるデメリット
- 後悔しないためにできる準備
- 後悔しないためにできる辞めた後の行動
この記事を書いている僕は元医局員で、退局、転職を経て現在に至ります。自身の転職経験、そしてこれまで多くの退局者と関わってきた経験をもとに、ブログを書いています。
医局を辞めるかどうかって、本当に悩みますよね。「取り返しのつかないことになったらどうしよう」など。
まず結論をいうと、「医局を辞めなければよかった」と後悔している人は、僕を含め周囲にはいないようです。トータルでみれば「やっぱり辞めてよかった」です。
ただ「全くデメリットを感じない」というと、それも嘘になります。
そのデメリットがあまりに大きかったり、準備や努力でカバーしきれなければ、【後悔】ということに繋がるでしょう。
今回はそんな後悔になりえる退局のデメリットと、後悔しないためにできる対策を解説します。
転職先の病院が合わなかった
転職先の病院が合わないというのは、最も後悔に繋がりやすい状況です。
・雇用条件が自分に合っていない
・人間関係がうまくいかない
・自分の専門分野でないことを求められる
こんな状況は、ぜひ避けたいものです。できる対策は、下記の3つです。
対策①病院をよくリサーチする
まず転職候補の病院について、よくリサーチすることが重要です。ぜひチェックしておきたい重要項目は、下記のとおりです。
候補病院でチェック!
・ 給料
・ 土地
・ スタッフの人柄
・ 仕事量
・ 入局の有無
・ 病院の経営状況
・ 定年
・ 副業の可否
チェック方法や注意点は、下の記事にまとめています。
医師が転職で失敗しないために候補病院でチェックすべきポイント8選
また複数の候補病院に足を運ぶというのも、非常に重要です。これは、僕自身の経験から強くおすすめします。
1つ目に足を運んだ病院について、
という感覚を持っていました。そしてその後、他の病院をみていくうちに...
と感じるようになりました。1つ目にみた病院が悪くなくても、複数をみて比べるのをおすすめします。
対策②転職エージェントを利用する
僕自身、「現在の職場で長く勤めたい」「いい転職ができた」と感じていますが、これにはエージェントの力が大きかったです。
交渉を代行してもらえることで、遠慮なく細かい雇用条件を問い合わせる事ができましたし、それを明記した契約書を交わすこともできました。
また、
こんなふうに相談しながら進められたことが大きかったように思います。初めて転職する人は、わからないことも多いでしょう。
【医師転職】転職エージェントを使うメリット・デメリット
対策③待遇が下がる転職はしない
前向きな気持ちで働いていく上で、給料や労働時間(あるいは時給)といった雇用条件はとても重要です。
もちろん転職は、お金や時間以外の要素も絡み合ってのものですが、給料や労働時間が大きく悪化するような転職はおすすめできません。
医局ならではの仕事がしたかった
研究や最先端の診療など、医局でなければできないような仕事をしたい人が医局を離れてしまうと、それは後悔に繋がります。
また医局を離れてしまった若手医師で、「本当はもう少し大~中規模の病院で修業をすべきだった」というのも、後悔の一つでしょう。
これらへの対策は、下記の2つです。
対策④医局の変更も検討する
医局内でしかできない仕事がしたい、でも今の医局にはいたくない。
こんな場合には別の医局に移ることも選択肢の一つです。
所属医局を変えることについて徹底解説 ~理由・方法・注意点~
対策⑤仕事内容を重視する
先程も書いた通り、転職においてお金や時間などの労働条件は非常に重要です。また住む地域なども考慮すべき項目です。
ただ「他の項目よりも、仕事内容にこだわりたい」というのであれば、それを優先するべきでしょう。
研究や最先端の診療ができるような環境は、転職エージェントに登録されている求人内だけではみつからない可能性もあります。
エージェントに探してもらうのと並行して、自分でもリサーチしてみるのもおすすめです(どうしてもこだわりたい仕事があるならば)。
また希望する仕事内容が限定されるほど、探すのは難しくなるため、早いうちからの職場探しが重要になります。
医局と喧嘩別れになった
辞める時に医局と揉めてしまうと、お互い後味が悪いですよね。できれば円満に退局したいものです。
対策⑥できるだけの配慮はする
円満に医局を辞めるためにできることとして、
・早めに退局を伝える
(3~6ヶ月前=代わりの人員の手配ができる期間)
・理解されやすい退局理由を伝える
(家庭の事情など)
・医局批判はしない
(「ありがとうございました」といって去る)
ということが挙げられます。これら以外にも、医局のために長期に渡って働いたことが評価される場合や、医局の状況が落ち着いていれば辞めやすいという側面もあります。
ただ辞めたい理由や健康状態によっては、満たせないものがあるかもしれません。
「円満退局の条件を満たすため」に体調を崩したり、やりたくない仕事を続けるのはあまりいい選択ではないと思います。
対策⑦医局の反応は気にしすぎない
実際のところ、医局を円満に辞める条件を満たせるかどうか、できたところで本当に円満に進むかは、運の要素が大きいです。
辞めたくなるような医局なわけですから、
という医局や、
という状況もあります。
自分なりに、その時にできる範囲での配慮さえできれば、結果に関しては気にしすぎないという姿勢をおすすめします。
臨床能力が下がった
医局を離れた後、臨床能力が下がってしまう可能性があるというのもデメリットの1つです。
それを防ぐための方法は、下記の3つです。
対策⑧成長の目処がたってから辞める
ある程度の成長をし、できることが増えてから医局を辞めるというのも後悔しないための方法です。
あるいは未熟な状態で医局をやめたいのであれば、修行ができる環境に転職をするのもありです。
何でも一人でできるようにならなければ、転職できないわけではありません。上司や同僚のいる転職先を選べば、教わりながら仕事をしていくことが可能です。
ただ、
・今の自分のできること、できないことの線引きがはっきりしている
・今後どういう努力をしていけば、成長していけるか何となく分かる
このように「ある程度の目処」が立っているほうが楽であると、個人的には思います。
対策⑩勉強会等に積極参加する
勉強会などに積極的に参加するということも、重要だと感じます。
医局を離れると、どうしても最新情報に疎くなりますし、自然に交流できる人も減ってしまいます。
僕自身もこれを痛感し、医局にいた頃より多くの会に出席したり、小さな勉強会を立ち上げたりしています。
対策⑪医局員とも交流する
もともと医局フリーの人や退局者の中には、「医局なんて」と毛嫌いする人もいます。
ただ継続して成長していくためには医局とも、うまく付き合っていけることが望ましいです。
・退局後も、元の医局の人と縁を切らないようにする(歳の近い人など)
・これまで縁のなかった他医局の人と、関わってみる
こんなこともおすすめです。
資格を取りそびれた
医局を辞めたことで、取るはずだった資格が取れなかったというのも後悔の原因になりえます。
僕自身、今の職場に確認したところ「専門医資格がなければ採用しなかった」とのことなので、もし資格を取りそびれていたら後悔していたと思います。
対策⑫資格の重要性を理解しておく
取得、更新のコストを考えると、「すべての人が専門医資格をもっておくべきだ」とは思いません。ただその重要性については、よく理解しておいたほうが良いように思います。
見ず知らずの人からの信頼を得て、仕事をもらうのが転職です(自分を評価する人は、時には医師でない場合も)。
専門医資格の【本当の価値】とは。専門医なしで医局や専攻医を辞めるとどうなるの?
まとめ
「医局を辞めて、後悔しないためにできること」というテーマで解説しました。
対策
- 病院をよくリサーチする
- 転職エージェントを利用する
- 待遇が下がる転職はしない
- 医局の変更も検討する(必要なら)
- 仕事内容を重視する(必要なら)
- 医局側に、できるだけの配慮はする
- 医局の反応は気にしすぎない
- 成長の目処が立ってから辞める
- 勉強会等は積極参加する
- 医局員とも交流する
- 資格の重要性を理解しておく
医師人生は長いです。医局を辞めた後にどう行動するかによって、後悔するかしないかが決まると感じています。
さて、今回は以上です。
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