今回は、こんな悩みに答えます。
いざ医局を辞めるかどうか、という時期は本当につらいですよね。
同じような時期を経験した元医局員としてお役に立てればと思い、「退局前後に感じやすい不安と葛藤」まとめました。
・医局を辞めるかどうか、悩んでいる
・ちょっと心が弱っている
そんな人には読んでほしいです。
この記事を読むと分かること
- 医局を辞めるときに起こりやすい、不安や葛藤
- それを乗り越えるための、考え方と具体的な行動
・まだ未熟であっても大丈夫か
一般的に医師転職の適齢期、そして初回の転職として多い時期は30代と言われています(もちろんこれ以外の時期でも、問題はありません)。
30代の医師なんて、普通は未熟なところだらけです。その状態でも求人はたくさんありますし、それでもみな転職をしています。
指導医がいて、学びながら仕事をしていける職場を選ぶことはできます。
年数相応の成長ができていて、自分のできることできないことが把握できていれば、十分だと思います。
求人があるということは、今のあなたが求められているということです。
・これまでのキャリアは間違いだったのだろうか
ネット上では、転職について多くの医師が情報発信をしています。
元医局員の
・医局時代はつらかったけど、辞めたら幸せ
・まだそんなところ(医局)にいるのか
こんな内容の記事がたくさんあります。
他にも、医局に入ったことがない人が「医局に入るデメリット」や「医局の辞め方」を教えてくれたりします。
SNSでは、研修医からも「医局員はコスパが悪い生き方だ」と言われてしまうことがあります。
こういった情報を目にしていると、
と感じてしまうことがあるかもしれません。
でも医局に入らなければ得られなかった知識や経験、人脈はあるはずです。絶対に、無駄な期間ではありません。
これらは今後必ず、目の前の患者さんや自分自身を助ける力になります。
時給計算した金銭的なコストパフォーマンスは悪かったかもしれませんが、それはこれから目指せます。
キャリアを「リセット」などと考えず、これまでの経験を大切にしつつ、その上に積み重ねていきましょう。
・転職先が良くない職場だったらどうしよう
転職候補病院で事前にチェックしたいことは、下記の記事にまとめています。
医局の選び方を徹底解説 チェックしたいポイント10選
ただ「転職後に、病院からいろいろ条件を変えられて」という報告も、稀ではありますがみられます。これを完全に避けられる保証はありません。そのため、この不安に明確な答えを出すことは難しいです。
僕は、こんな不安に対して、
・医局に残ったところで数年後にまた異動がするので、転職先の病院が合わずに辞めるのと変わらない
・医局にだって、手のひらを返されるかもしれない
このように考えて乗り切りました。
・自分は恩知らずではないか
と考えてしまうかもしれません。入局後の期間が短い人は特に、です。
でも、恩返しはもう済んでいると思います。
なんでもお金で考えるのは良くないですが、本来医師一人雇おうとしたら、若手だとしても相当高い時給を支払う必要があります。
にもかかわらず、医局からは1円ももらっていないはずです。それでも1年のうち少なくない時間と労力を、医局のために費やしていたはずです。
医局費や同門会費、寄付金を支払ったり、異動に関わる負担をかぶってきたことでしょう。
医局にいた期間が短いことを、引け目に感じる必要はありません。1日1日、1年1年、医局への恩返しは済んでいます。
・自分の感覚がおかしいのだろうか
他の医局員は不満をあまり口にしない、実際に辞める人は少ないのに自分が辞めようとしている場合、
と感じてしまいがちです。
これはもしかしたら、あなたが他の人にはない過剰な負担をしていたのかもしれません。他の人の分の負担も、かぶっていたのかもしれません。
・特別な事情のない
・過剰な業務もこなせてしまう
こんな一部の人に負担を集中させているというのは、よくある状況です。
「それぞれの事情に配慮する」「希望を聞く」「満足度の高い」。こんな医局の実態は、これかもしれません。
これを知った上で、もう一度医局を眺めてみてください。
もし当てはまれば、少数意見だったしても間違った感覚ではないと思います。
・「医局の関連以外にいい病院なんてない」
これは、医局からの引き止めとして言われがちです。「いい病院は医局が独占している」と。
僕自身は今の職場に満足していてそんなことはないと思いますが、確かにこれに対して力強く反論できる明確な根拠は持ち合わせていません。
ただし一つの答えとして、「転職先として医局の関連病院を選ぶこと」が挙がります。
・他科は医局から派遣されている病院だが、自分の科は医局フリー
・「異動のない形だけの入局」を求められる病院
こういった病院は、転職活動中かなりみられました。
医局制度への不満から、人員不足の医局も増えてきているのが原因ではないかと推測します。
こういった病院を特別おすすめするわけでもありませんが、あまりにも「医局の関連以外にいい病院なんてない」という言葉が気になるならば、候補に入れてみてはいかがでしょうか。
・「医局を辞めた人に、こんな失敗例があるぞ」
こんな噂話で、不安になるかもしれません。
確かに大勢の退局者の情報をかき集めたら、うまくいっていない人もいるでしょう。
ただよくよく聞いてみると、「詳細がふんわりしているけども、とにかく不幸になったんだ!」という曖昧な噂や「いや、それはその人の勤務態度が悪いよ」という状況も多いと思います。
本当に誠実に勤務している人が、本当に医局にいたときよりも不幸になったのか確認してみてください。
・医局に転職を邪魔されないだろうか
「具体的に何らかの邪魔をされた」という報告は多くないようですが、こういった不安はつきまとうでしょう。
所属している医局の印象にもよりますが、まずは「退局を伝える前に、内定を取ってしまう」という手段をおすすめします。
なかなかないと思いますが、さらに要注意な医局であれば、できることは「退局の話し合いを録音する」でしょうか。
また弁護士さんが運営されている、医師専門の退職代行サービス(退局代理.com)もあります。
個人的にはできれば弁護士さんを通すことなく穏便に済ませたいと思いますが、今いる医局を「ここまでしないと危険」と感じるならば、検討の余地があるかもしれません。
医師専門の退職代行サービス【退局代理.com】を直接取材~詳細・メリット・評判~
・仕事時間が減ってやることがあるか
医局はもう懲り懲り。かといって急に時間ができてしまっても持て余すのではないかという不安です。
仕事一筋でここまできた人に多いのではないでしょうか。「今ですら、家にいる時間を少し持て余す時があるのに」と。
ただ半日の休みでは持て余すものも、2日しっかり休みが取れるようになると、新しい「やりたいこと」が見つかるかもしれません。もちろん医学/医療の勉強をすることもできます。
医局を辞めて、仕事の拘束時間は大幅に減りましたが、トータルの活動量はそれほど変わっていません。
時間とともに個人個人の心地いいところに落ち着くので、心配いらないと思いますよ。
・まとめ
医局を辞める際によくある不安や葛藤と、それを乗り越える考え方の例を紹介しました。
よくある不安
- 未熟な面があっても大丈夫か
- これまでのキャリアは間違っていたのだろうか
- 転職先が良くない職場だったらどうしよう
- 自分は恩知らずではないか
- 自分の感覚がおかしいのだろうか
- 「医局の関連以外にいい病院なんてない」
- 「医局を辞めた人に、こんな失敗例があるぞ」
- 医局に転職を邪魔されないだろうか
- 仕事時間が減ってやることがあるか
この記事を読まれている方も、似たような悩みをお持ちなのではないでしょうか。
少し「医局を下げてしまう」考え方も紹介しましたが、しんどい時期を乗り切るため、心の中でそっと悪者になってもらうのはアリかもしれません。
一歩を踏み出すときの、参考にしてください。
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