医局に入った後

医局人事の決まり方とうまく乗り切るポイント

2021年9月2日

 

こんにちは、コアライ ミナトです。

今回のテーマは「医局人事の決まり方」です。

 

この記事を書いている僕は元医局員で、退局、転職を経て現在に至ります。

医局員にとって、人事異動は非常に大きなイベントですよね。生活面でも、金銭面でも影響があります。

今回はそんな医局人事の実態について、解説していきます。

 

この記事を読むと分かること

  • 医局人事の概要
  • 医局人事の決まり方(表と裏)
  • 医局人事をうまく乗り切るポイント

 

ちなみに、コアライ医師はうまく乗り切れたの?
あんまりうまくいきませんでしたね(笑)。医局を辞めた理由の1つが、異動でした。
どの要素でうまくいかなかったかは、ご想像におまかせします。
ただ悪口に終始することなく、自分の反省点も踏まえて役に立つ内容になるよう心掛けたので、よかったら最後まで読んでいってください。

 

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転職サイト比較記事は こちら

 

医局人事の目的

 

医局人事の主な目的は、2つです。

 

地域の医療を支える

医局は大学病院+関連病院のポストと、医局員からなる組織です。

関連病院のポストを必要な人員で埋めることによって、その地域一帯の医療を支えています。

ポストに欠員が出た場合は、それと似たようなキャリアの医局員を補充することで、量と質両方が維持されます。

特に募集をかけても医師が来にくい田舎の病院では、医局の医師派遣能力に頼るところが大きいです。

 

詳しくはこちら
関連病院にとって医局とは
関連病院にとって医局ってどんな存在?メリット、デメリットを解説

 

医局員の教育

もう一つの人事異動の目的は、医局員に経験を積ませることです。

医局人事にのるメリットは、下記のとおりです。

・診療経験を積める
・頼れる人が増える
・マネジメントを学べる
・人間関係で煮詰まりにくい
・いろいろな土地に住める
・人事ならば、転職時にネガティブに感じられにくい

どうしても1つの施設では、症例や経験が偏りがちです。さらにどんな病院にもローカルルールや問題点があります。

将来の選択肢を狭めないため、また日々起こる問題にうまく対応していくためには、少なくとも数病院での修行経験は必要だと感じます。

 

個人的には、ですが。

また昔の上司や同僚は、ちょっとしたときに相談がしやすく、非常にありがたい存在です。

 

詳しくはこちら
医局人事で異動をするメリット6選【元医局員が解説】
資格取得のために、複数施設を回って症例を集めなければならないことも。

 

医局人事の決まり方(概要)

 

人事権

医局は、医局員の人事権を持っています。教授と医局長などの数人が、次年度の人事を決定します。

医局長が取りまとめを行い、最終的には教授が確定する(教授の意向がより優先される)という場合が多いです。

 

希望調査

多くの医局で、医局員に対して希望調査があります。

調査方法は様々です。

・希望調査票が送られてくる
・面談がある
・飲み会や同門会、日々の仕事のなかでそれとなく聞かれる
(コロナ下では会合はありませんが)

など。

これを参考に、人事が組まれます。

かならず希望が叶うわけではありませんが、「医局員の意向を一切聞かない」という医局は、最近では稀なように思います。

 

決まる時期

次年度の人事が決まる時期は、医局によってばらつきが大きいようです。

「半年前~3ヶ月前までに伝えられる」というのが一般的ですが、もっと直前に決まるところもあります。

4月に異動をするのであれば、秋~年末年始頃に連絡があるのが多数派でしょうか。

 

そして連絡がある少し前の時期が、次年度の構想を練っている時期ということになります。

「医局員の負担を考慮して、なるべく早くに伝える」という方針の医局も、でてきています。

 

年齢ごとの傾向

20代~30代前半の医局員は異動が多く、希望も叶いにくいです。数年に1回の異動というのが一般的ですが、半年~1年という場合もあります。

30代後半~40代前半になると、異動の頻度が下がります。

40代半ばでおおよそ勤務先が固定され、定年まで勤め上げるというのが1つのモデルケースです。この頃には居住地の希望も、ある程度は考慮されます。

ただ医局の状況によっては、50代あるいは定年間近での異動というのも起こりえます。稀、というわけではありません。

50代の異動は、生活面でも、退職金などの金銭面でもかなり負担が大きいです。

 

詳しくはこちら
医師が医局人事で失うお金は○万円!?試算をしてみた

・50代での異動を命じる医局かどうか
・自分が命じられる可能性がどれくらいあるか
・命じられた時、それを受け入れられるかどうか

40歳頃までには、このあたりを見極めたいものです。

 

医局人事の決まり方(実態)

 

ここからは、医局人事の決まり方の実態について解説していきます。

 

数人の価値観が反映される

先程も書いたとおり、教授や医局長など数人が人事権を持っています。そして長期に渡ってその顔ぶれは変わりません。

こうして数人の価値観が毎年の人事に影響し、人事の傾向は長期間、似たようなものになります。

 

個人の希望が通るか

人事において「個人の希望が通るかどうか」という話です。

「医局の都合が優先で、医局の都合と個人の希望が合致するときには通る」というのが、実際のところです。

「関連病院のポストに大きな穴を開けてまで、個人の希望に配慮してくれることはない」と考えておいたほうがいいでしょう。

 

「いずれは」という言葉は話半分に

医局に勧誘される際に、

「〇〇市に住みたい?うちの関連病院に〇〇病院があるよ!(いずれはそこで働くと良い)」

ということを言われることも多いでしょう。

ただし、ここには言葉にされていない多くの事実が含まれています。具体的に言うと、

・「ベテランになったら」であって、若いうちは転々とすることになる
・ベテランになる頃には、約束をした現在の医局上層部は退官している
・〇〇病院の定員と、実際の希望者数は考慮されていない
・いざとなれば医局の事情が優先される

言っている側も嘘をついているつもりないはずですが、「いずれは」が実現する確率は50 %くらいと考えておくのが妥当だと思います。

医局に入った後の「いずれは」「次は」も、同様です。

 

約束が守られるか

希望と異なる病院に異動となったとき、「2年間だけ」など条件が出されることもあります。この約束が守られるかどうかは、将来を考える上で重要なチェックポイントです。

希望者が少ない病院の場合は、「もう1年だけ」と延長されていく場合も多いです。

「田舎の病院で、何十年もそのまま」ということも…

 

過去の人事の傾向を確認し、信用のできる医局かどうかは、早い段階で見極めておいたほうがいいでしょう。

 

個人の事情に考慮するかどうか

個人の事情に考慮するか、均等に人事を行うかは、医局によって差がでるところです。

例えば医師同士の夫婦がいた場合、

・2人の勤務先を合わせて、固定するか
・相手の勤務先を考慮せずに、異動があるか

の2パターンが考えられます。

配慮があるパターンでは医師夫婦が医局に残りやすくなる反面、それ以外の医局員が代りに異動することになります。

 

どちらが正しいのかは、よくわかりません。いずれにせよ難しい采配だなと感じます。

こうして医局の都合と個人の都合が複雑に絡み合いながら、人事が決まっていきます。

 

決まった人事を拒否できるか

一度決まった人事は、基本的に拒否することができません。

それが認められた場合、次の人もその次の人も拒否できることになり、人事そのものが成立しなくなります。

あるいはポストを空白のまま放置するか、という話になります。

こうして望まない人事を命じられた場合は、

・その人事を飲む
・医局そのものを辞める

の2択になります。

ただ正式な決定ではなく「〇〇病院どう?」という相談・打診の段階では、断れる場合もあるようです。

 

詳しくはこちら
医局人事って拒否できる?
医局人事って拒否できる?状況ごとに解説

 

うまく乗り切るポイント

 

最後に、医局人事で希望が通りやすくなるポイントを解説します。

どれも確実なものではありませんが、ある程度は効果のある努力だと思います。

 

「気に入られること」は重要

医局上層部に

人事は教授や医局長など、数人で決められます。

「公平に」という原則はありますが、実際のところは気に入られているかどうかなど、個人の価値観によるところも大きいです。

日々の仕事で信頼を得るだけでなく、飲み会(コロナの影響で現在は無いですが)や勉強会などに参加し、気に入られるというのはどうしても必要になってきます。

 

頻繁に異動している人やずっと田舎にいる人と、医局上層部の関係性をみると、一定の傾向があるように感じます。

ただし大学病院勤務を希望しない場合は、気に入られすぎてしまうのも良くないかもしれません。

大学病院はいわば本店であり、優秀で医局上層部が気に入った人材が集められやすくなります。

市中病院勤務を希望する場合は、目指したいのは「程々の印象」でしょうか。

 

勤務希望病院の上司に

勤務を希望する病院の先生と、良好な関係を作っておくこともポイントです。

そういった先生方は、直接的な人事権は持っていないものの、

・あの人にうちで働いてもらいたい
・よく働いてくれて助かっているので、ぜひ長くいてほしい
・あの人にしかできない仕事がある

といってもらえるか、

・うちに来てほしくない
・そろそろ引き取って欲しい

といわれてしまうかでは、大きな違いがあります。

 

そこに居続けるだけの理由を作る

勤務希望病院で重宝される技術や専門性を持つと、そこに留まりやすくなります。

その病院でしかできないような研究を行う、論文を書く、というのもプラスに働くでしょう。

このように「そこに居るだけの理由」があれば、人事の面では有利です。

逆に目立った特徴がなく、そつなくこなす点が評価された場合は、「どこに飛ばしても大丈夫」と便利に動かされてしまうかもしれません。

 

人気病院を希望しない

大抵の医師の働きたい病院(望む労働条件)は共通しており、それを満たす一部の関連病院に、希望が集中します。

例えば下記の通り。

・仕事量が適正
・人員が充実している
・雰囲気がいい
・給料が高い
・便利な土地にある

こういった病院で働くことを希望した場合、それが叶う可能性が低くなります。

 

さらに、

・「いずれは人気病院で働かせてやるから」と、望まない病院での勤務を命じられる
・一度人気のポストにつけたとしても、短期間で異動になる

と、総合的にみると損する場合もあります。

 

逆に、皆と違う希望を出せば、そこに長くとどまれる可能性は高くなります

「不便な土地だけど実家が近い」「田舎が好き」「忙しいのは苦にならない」などがあれば、中長期でみて得かもしれません。

 

まとめ

医局人事の決まり方と、うまく乗り切っていくポイントについてまとめました。

ポイント

  • 人事の目的は、地域の医療の維持と医局員の教育
  • 教授・医局長など数人が決める
  • そのため人事に一定の傾向がある
  • 個人の希望・事情は「考慮される」程度
  • 医局上層部や勤務希望病院スタッフと、良好な関係を築くのが重要
  • 希望を叶えるためのコツは、他にもいくつかある

 

いかがでしたか?

面倒くさいと感じる人も多いかもしれませんが、「うまくやれる人」というのもかなりいます。

こういった人は、「関連病院で働ける」「職場が保証される」「休業が必要な時、代理を立ててもらえる」といった、医局の恩恵を大いに受けることができます。

この記事が、「うまくやれる人」になる手助けになれば幸いです。

さて、今回は以上です。

 

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