こんな疑問に答えます。
この記事を書いている僕は入局してから約8年間、医局員として過ごしました。その後は退局、転職を経験し現在に至ります。
僕も医局員時代、どうしたら穏便に退局できるか、非常に悩みました。いろいろな人に話を聞いたり、実際に穏便に辞められた人、揉めた人をみてきました。そんな経験をもとに、この記事を書きました。
比較的よくあるテーマではありますが、記事の後半=「もう一つ知っておいてほしいこと」の部分にこだわりました。これは迷っていた僕に、先輩がかけてくれた言葉です。
円満に医局を辞められる条件
早めに伝える
次年度の人事がかたまってしまう前に、退局の意思を伝えましょう。おおよそ半年前という意見が多いようですが、実際は医局によってまちまちです。
それぞれの医局で、次年度の人事の連絡がある時期は、おおよそ決まっているはずです。退局を考え始めたら、その時期を測っておきましょう。
その連絡の1~数か月前=人事の構想段階が、退局を告げるタイミングです。
あくまでイメージですが、このタイミングは半年よりはもう少し早いかなと思います。
納得されやすい理由を伝える
「実家に帰る」、「結婚など家庭の事情」、「開業」、「健康上の理由」などは、比較的納得してもらいやすい理由です。
逆に「金銭」、「人事が気にくわない」などは角が立ちやすいです。
可能な限り、納得しやすい理由と、それを信じてもらえる状況を作りましょう。
ただこの中で難しいのは「健康上の理由」です。何らかの病名がついていたり、すでに体調を崩している場合は納得されやすいです。
しかし「このままでは体を壊しそう」や「あの病院の業務をこなすと体を壊すかな」といった状況では、理解してもらいにくいです。
医局を辞める理由。よくある12個と「うまい」伝え方
十分に医局に貢献したと判断される
「これまで十分に医局に貢献してくれたから、もう自由にしていい」と思ってもらえるかどうかです。
若手時代の勤務や学位/専門医資格の取得といった期間は、「医局に育ててもらった、医局に恩がある」というのが、医局側の認識のようです。
このため専門医取得後、少なくとも一定期間はお礼奉公として働くという文化もあるようです。
ただこれには決まった年数があるわけではありません。
「医局に10年いれば貢献したとみなされる」という噂も聞くことがありますが、
・10年以上所属しても揉める人はいる
・期間が短くてもスムーズに辞める人もいる
というのが実際のところで、根拠のない数字のようです。
医局が困らないタイミングで辞める
医局の状況には波があり、人員が充実している年と、人員が不足している年があります。
人員が充実しており、自分の後任の目途が付く状況で辞めると、穏便に済む可能性が高いです。
ただしこれは、転職のタイミングを医局にゆだねるということになります。
全て満たすのは難しいという話
どうでしょう、満たすことはできそうですか?
運が良くなければ、全てが重なるタイミングは来ないでしょう。さらにこれに自分の転職活動の状況や、家庭の事情が絡んできます。
全て満たすのは、かなり難しいです。
さらにいうと、全て満たしたところで、スムーズに話が進むかどうかは医局(教授)の価値観一つです。
もともと関係性が良くない場合は、誠意を尽くしたところで、スムーズにいかない場合も多いです。
伝え方は重要
ただし、伝え方は重要です。長年言いたかったこともあるかもしれませんが、医局の方針を批判するような言動は避けましょう。
医局を辞める人間が問題を指摘したところで改善される可能性は低いですし、その後の医局が改善しようが関係のない話です。
どのような事情であれ、「自分の側の問題で、申し訳ない」という言い方をすれば波風は最小限で済むでしょう。
迷っていた僕に先輩がかけてくれた言葉
さてここからが本題です。ある日、僕は医局を辞める決意をしました。
いつどういった形で辞めようかと迷っている僕に、ある先輩がこんな言葉をかけてくれました。
ポイント
自分や家族の健康が問題になるなら、他の都合は考慮する必要はありません。体を壊してみせる必要もありません。体を壊す可能性があるなら、それで十分です。
個人の人生観と医局の都合が乖離している場合、どうするかは考え方次第です。
医局の印象を損ねてでも歩みたい人生があるならば希望を通せばよし、医局とその後もうまくやるために人生を少し曲げるのもよしです。
ただその期間にも、限度があるかなとも思います。
まとめ
医局をスムーズに辞めるためのポイントをまとめました。
ポイント
- 早めに伝える
- 納得しやすい理由を伝える
- 十分医局に貢献する
- 医局として困らないタイミングで辞める
こういった記事を読まれているということは、周りに気を使う、きちんとした方なのだろうなと思います。
そんな方に先輩の言葉を届けたいという意図もあって、この記事を書きました。
今回は以上です。この記事が人生の選択の参考になれば幸いです。
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