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【美容転科】美容クリニック専門の求人セミナーに参加してみた~年収・採用基準・指導体制など~

2022年3月2日

美容求人セミナー

 

こんにちは、コアライ ミナトです。自身の経験を元に、医師の転職やキャリアについてのブログを書いています。

今回は株式会社 エバーアドが主催する、美容クリニックの求人セミナーに参加させていただきました。

取材枠ということで、特別に許可をいただきました。

 

軽い気持ちで参加したのですが、興味深い話がたくさん聞けたので記事にまとめてみました。美容分野に進むことを考えている医師の方にも、そうでない方にも、参考にしてもらえる記事になったと思います。

では、いきましょう!

 

セミナーについて

 

まずは今回のセミナーについて、簡単に解説します。

セミナーを主催しているエバーアドは、美容クリニックに特化した転職エージェントサービス【美容医師求人ガイド】を運営している企業です。

美容医師求人ガイドの、主な特徴はこちら。

・個々のクリニックとの繋がりが強く、数字には現れない情報も持っている。
・美容分野に特化したキャリア相談ができる(エージェントは5年以上の経験者のみ)。
・初期研修医や学生も利用でき、実際に利用者の約3割は研修医。

 

美容医師求人ガイドの詳細は、こちらの記事にまとめています。

関連記事
美容医師求人ガイド取材
美容医師求人ガイドを直接取材してみた~強み・評判・美容転科~【学生・研修医もOK】

 

このように就職、転職を斡旋する傍ら、定期的に今回のような求人セミナーも開催しています。

美容分野に興味のある方は、登録しておくと、情報収集の役に立つのではないでしょうか。

 

さて今回のセミナーは、2022年2月19日(土)の12時から約2時間、Zoomにて開催されました。

・自宅で
・こちらの音声や画像はOFFのまま
・完全に匿名で参加できる

という点が、ありがたかったです。

「Minato Arai」の名前で参加しました。

ここからは、実際のセミナーの様子を解説していきます。

 

エバーアドからの説明

 

セミナーはエバーアドのエージェントさんによる、「美容分野への就職、転職のポイント」についての説明から始まりました。

要点をまとめると、下の通り。

 

① 数字の意識

美容クリニックは営利企業であるため、個々の医師がきちんと利益を出すという「数字の意識」が重要です。

自身で集客をし、さらに診療に満足してもらうことでリピーターを獲得していく必要があります。とはいえ押し売りをすることなく、医学に基づいて提案していくのが大前提です。

今回のセミナーに参加されているクリニックには、「売上のノルマ」はありません

 

② コミュニケーション能力

美容分野の医師に重要なのは、何よりも「コミュニケーション力」で、医師本人の容姿や経験よりも優先されます。

確かに接客業なので、「その先生の施術を受けたいと思ってもらえるか」が売上に直結しそうです。

 

さらにコミュニケーション能力は、売上だけではなく、その後のクレームなどにも影響します。実際クレームの8~9割が、接客が原因によるものです。

 

③ SNSでのブランディング

美容分野で活躍していく中で、SNSによって医師が個人のブランディングを行っていくことは、避けては通れません。SNSなしで、集客をして大きな利益をあげていくことは、難しいです。

今回参加されているクリニックは、「義務ではない」という表現をされていました。

ただ少なくとも重視されているのは、間違いなさそうです。

 

クリニックからの説明

 

いよいよ本題の、美容クリニックからの説明です。今回参加されていたのは、こちらの3グループ。

参加クリニック

・品川美容外科
・東京中央美容外科
・湘南美容クリニック

どこも名前の聞いたことのある、超大手のクリニックですね。

 

重要だと感じた内容

各クリニックからの説明で、印象に残った内容をまとめました。

<注意>
ニュアンスが変わって伝わってもいけないので、「どのクリニックの話か」は伏せています。あくまで一般論として、あるいはクリニックを選ぶ際のチェック項目として、参考程度にしてください。

 

未経験

初期研修修了直後の人を中心に、形成外科や皮膚科を経験せずに、美容分野に進む医師がかなり増えています

クリニックからは、新規採用者について、

・9割が初期研修修了直後
・6割が初期研修修了直後
・8割が未経験者
・採用基準として経験の有無は問わない

などといった声が聞かれました。

 

「美容分野に進むにあたって、形成外科や皮膚科の専門医資格が必要かどうか」は議論があるようです。(セミナー外で)必須派・持っていない派、双方の意見を聞いた感想は、下の通り。

・形成外科や皮膚科の経験は、アドバンテージにはなりそう。
・新人の半分以上が未経験ということならば、「必須」とはいいにくそう。
・「専門医必須」は、ブランディングの側面も多少ありそう。

僕個人の感想ですが。

 

予習できること

「美容分野に進むにあたって、研修医期間中にできること」として挙げられていたのはこちら。

・外科結びなど、外科手技の基本を学んでおく。
・形成外科や麻酔科を回っておく。
・美容医師のSNSをみておく。
➡美容分野に関することは、就職してからでいい。

 

「美容分野に進むからといって、初期研修期間を適当に過ごすのは良くない」と言われていたクリニックもあって、かなり好感が持てました。

 

採用基準

採用面接でのポイントとしては、やはり「コミュニケーション能力」が一番に挙げられていました。

・その医師に相談したい・任せたいと思えるかどうか。
・悩みを引き出せるか、その場の雰囲気でしっかり話をできるか。
・身だしなみは重要。
・医師本人の容姿に関しては、「そこも含めたコミュニケーション」とのこと。

接客業全般に言えることとして、「容姿の良さは強みではあるけれども、そこだけでは決まらない」ということでしょう。

 

保険診療の医師の採用は、勤務歴や資格、経験や実績など履歴書に書く内容が重視されますが、美容分野の場合は「面接の場でどんな印象を与えるか」が、より重要であると感じました。

 

合格率

なかなか驚いたのですが、あるクリニックでは、医師の合格率は50~60 %程度とのこと。熱心な勧誘があったり高待遇が用意されていたりと、てっきり美容業界は人手不足で、「志望さえすれば歓迎してもらえる」と思っていたのですが…

すでに美容分野は人気の進路であって、「多くの志望者のなかから、適性のある医師を選ぶ」というフェーズに入っているという印象でした。

「フルタイムのみ採用、非常勤の募集はなし」というクリニックもあり、「とりあえず誰でもいい」という募集ではなさそうです。

 

採用時期【重要】

採用時期について重要だと感じたので、解説します。クリニックにもよるはずですが、あるところは、

2023年度の採用スケジュール:
2022年2月頃から募集・面接を経て、同5月末には採用が終わる。

とのことでした。つまり初期研修修了後に就職したければ、研修1年目の末には動き始めなければいけないわけですね。

 

研修2年目の5月に合否が出て、万が一不採用となったら、そこから(保険診療の)専攻医としての就職先を決めることになります。

多くの医局や専攻医プログラムはそれからでも間に合いますが、都市部や人気科では研修2年目の5月には採用が終了しているところもあります。このあたりのスケジュールや優先順位は、考えておいたほうが良さそうです。

美容に限らず人気の進路を志望するならば、早めの行動がおすすめです。

 

指導体制

未経験OKというだけあって、指導体制はかなり充実していると感じました。

画期的だと感じたのは「Ope可表」という制度。難易度ごとに施術が表になっていて、習得具合に合わせて○、☓、△などを書き込んでいくものです。これに合わせて予約が入れられるので、いきなり「やってみて」とはならないとのこと。

 

それに加えて技術面では、こんな学びの機会が。

・動画を含めた教材・マニュアル
・勉強会
・実技研修や合宿(海外含め。感染状況次第)
・学会参加
・海外ドクターを招聘した研修
・ヒヤリハットがあれば、再研修

技術面だけではなく、カウンセリングなどの顧客対応やマネジメント、ブランディングといった研修も用意されています。

 

また指導する側にとっても、

・支店としての売上が、そこの院長のインセンティブになる
・部下を育てると、部長・院長も休みやすくなる
➡若手の指導をする明確なメリットがある

というシステムを作っているクリニックもあり、この点も画期的だと感じました。

 

外からみていると、「すぐクビになるのでは」という懸念があったりしますが、「きちんと育てて長く働いてもらえるように、クリニック側が努力する」という空気感のようです。

実際、引き抜きも多いのだとか。

 

技術習得期間

技術習得期間については、

・1年くらいからグループ内で院長になる人も
・2~3年で一通り習得→独立も選択肢に

というイメージとのことでした。

もちろん奥は深いのでしょうか、「とりあえず一通り」が早い分野は、キャリアの自由度が上がりますよね。

 

給料体系

フルタイムの給料の相場はこちら。

ポイント

基本給2200~2500万円/年+売上に応じたインセンティブ。

「売り上げが低いと、減給になったり、解雇されたりするか」を気にしている参加者もいましたが、「基本給以下になることはなく、それによる解雇もない」とのことでした。

 

残業時間

いずれのクリニックも予約制をとっているため、「残業はあまりない」そうです。

業務時間中は並列で診るなど、かなり忙しそうなところもありましたが、メリハリが効いているとも言えますね。

 

SNS

SNSに関しては、「義務ではないけれど、重要ではある」というニュアンスでした。

「美容外科医としての売り上げ順位とInstagramのフォロワー数は、ある程度相関する」という、なかなか興味深いお話が。

 

SNSの種類としては、Instagram>>>>Youtube>その他という重要度のようで、SNS≒Instagramといった言い回しだと感じました。

それぞれにSNSを支援する部署やブランディングに関する研修があって、やる気さえあればサポートは受けられそうですね。

 

訴訟

訴訟自体多くはなく、万が一訴訟になった場合は、共通して「ルールに基づいてやっている限り、グループで対応する(話も金銭的なことも)」とのご回答でした。

 

質疑応答

各クリニックの説明後には質疑応答の時間が設けられており、活発な意見交換が行われていました。

定員30人のセミナーで、クリニックごとに10個くらいずつ質問が挙がっていました。質問内容も、「本気で就職を考えている」「ある程度の予備知識がある」と感じるものが多かったです。

 

質問の一例

・採用面接でみられる点は?
・研修医のうちにやっておくと良いことは?
・どんな症例が多い?
・売上が低いと、解雇やペナルティがある?
・SNSは必須?
・何年で独立できる?
・訴訟になったらどうなる?
・離職率は?

匿名での会だったこともあり、待遇についても遠慮なく質問が飛んでいました。

 

チェックしたいポイント

 

就職するクリニックを選ぶ際に、確認しておいた方がいいと感じたポイントは、以下の4つです。

個々人の希望(やりたい診療・立地・指導医など)について確認するのは当然として、それ以外の、多くの人に共通するポイントをピックアップしてみました。

 

① 移動・異動

クリニックによっては、頻繁に他の院(支店)への出張があるとのこと。多くの医師から学べるというメリットもありますが、かなり体力的にキツそうだとも感じました。

日によって違う場所で働くのって、結構しんどいんですよね。

また全国に多数の院を展開しているところばかりなので、異動についても事前に確認したほうがいいでしょう。

 

②1院あたりの医師数

いずれもグループ全体の医師は多いものの、1院にいる医師数は多くなく、1~5人くらいとのこと。

個人的には、どちらかというと人数が多い院の方が働きやすいと思います(特に若手のうちは)。これは美容分野に限らず、です。

・指導を受けられる人が多い。
・人間関係で煮詰まりにくい。
・休みが取りやすい。

というのが理由です。

 

③ 義務年数

独立やヘッドハンティングに関して、最低勤務年数を設けているところもあるので、事前の確認が必要だと感じました。

「まずはしっかり落ち着いて修業をしたほうがいい」と個人的には思いますが、気になる方はぜひ。

 

④ グループ全体の雰囲気

組織に所属するにあたって、全体の雰囲気が自分に合うかを確認することは重要です。

その意味でも、今回のセミナーはかなり有用でした。たて続けに似た内容を聞けるわけなので、「ここはきっちりしているな」「あ、ここ体育会系っぽい」という違いがはっきりとみえました。

セミナー以外で言うと、「グループのトップと話してみる・講演をきいてみる」というのもおすすめです。組織の雰囲気って、トップの影響を受けやすいです。

 

保険診療医師としての学び

 

今回セミナーを通して、保険診療に携わる医師として最も感じたのは…

そりゃ美容、人気になるよね。

です。僕自身は今の仕事に満足していますし、美容分野にも多くの苦労があるはずです。

 

ただ若手をリクルートするにあたって、下の2つを比べてどうでしょう。

美容分野

・給料は2500万円/年+インセンティブです。
・福利厚生充実・有給消化率高いです。
・システム化した指導体制を用意しています。
・長く働いてもらえるよう努力します。
・匿名で、待遇について質問できます。

医局を中心とした保険診療

・給料は…生活はできます。詳しくは就職してから。
・仕事は、先輩の背中をみて覚えましょう。
・4月から1人当直があります。
・待遇ばかり気にするのはよくないです。
・入るときから独立を考えるなんて...

「実態がどうか」以前に、プレゼンテーションとして強いな、と。

 

これからは「若手に来てもらう」という意識で、

・包み隠さずに待遇の話をする。
・成長の具体的なビジョンを示す。
・独立に関する制限を作らない。

こんなリクルートを、心がけていく必要があるのでしょうね。

 

まとめ

エバーアド主催の美容クリニック求人セミナーの内容をまとめましたが、いかがだったでしょうか。

たったの2時間、家で昼食を摂りながらの視聴でしたが、密度の濃い時間になりました。

事前知識があまりない僕が聞いても、これだけの内容がわかったわけなので、美容分野に興味のある方ならばもっと多くの学びがあるはずです。

 

さて、今回の内容は以上です。

・美容分野へ進むことを考えている方
・美容クリニック求人セミナーに参加してみたい方
・その他、記事内容に関するご質問など

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