医局に入った後

医局を辞める理由。よくある12個と「うまい」伝え方

2021年5月25日

 

医局を辞めたいと思っているのですが、みんなどんな理由で辞めているのでしょう。どんな理由ならば、スムーズに話が進みやすいですか。

こんな疑問に答えます。

 

この記事を書いている僕は、元医局員で、退局、転職を経て現在に至ります。

僕自身も退局経験者ですし、これまで医局を辞めた多くの方と話す機会がありました。みな様々な理由で悩み、退局を決意していました。

一つの理由で、というよりも複数が重なってという方が多いように思います。また公式に退局理由として伝えているものと、実際の事情が異なる場合も少なくありませんでした。

 

そんな経験をもとに、「医局を辞める理由」についてまとめました。

またそれぞれの退局理由について、理解されやすさや、うまい伝え方も解説しました。

理解されやすい:★★★
場合による        :★★
理解されにくい:★

 

 

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① 地元に帰る

「出身地ではない大学の医局に所属していて、修行も一段落したので、そろそろ地元に帰ろうか」というパターンです。比較的多い理由ではないでしょうか。

「親が開業医なので跡を継ぐ」、「親が歳をとってきたので先々の介護を見越して」といった事情も関係してきます。

このパターンは自分ひとりの希望というわけではなく、家族や親戚が関係してきます。このため理解されやすく、引き止められることも少ないです。

理解されやすさ:★★★

 

② 結婚、出産、育児

現状では、どちらかというと女性医師から多くきかれる事情でしょうか。

「結婚を期に生活の拠点を変える」や、「拘束時間が少ない働き方へシフトしたい」など様々です。

これも本人だけに留まらず、家族の生活に関わってくる事情です。理解されやすく、引き止められにくいです。

理解されやすさ:★★★

結婚、出産、育児を経た女性医師も、医局に残って働き続けやすい環境が整うといいかな、とも思います。

 

③ 開業をする

開業を理由に退局する場合も、強い引き止めがあったり揉めていたりという印象はありません。

ただこれに関しては単に理解されやすいというよりも、開業後も同じ地域で円満に仕事をしていくために、細心の注意を払って退局準備を進めた結果とも言えると思われます。

理解されやすさ:★★★

 

④ 転科をする

転科をきっかけに医局を辞める・変わるというのも、よくある状況の一つです。

転科と医局については、下の記事で詳細にまとめているので参考にしてください。

関連記事
転科をきっかけに医局を辞める/変わることについて解説

 

理解されやすさ:★★★

 

⑤ 栄転/引き抜き

研究や臨床で成果をあげていると、「是非〇〇のポストへ」といったオファーがあります。

めでたい話ではあるのですが、理解されやすいかはケースバイケースといった印象です。

医局としては成果をあげている人が突然いなくなるので、痛手になります。また行き先と医局の関係性によっても結末は様々です。

理解されやすさ:★★

 

⑥ やりたい仕事ができない

医局人事や仕事の割振りの問題で、経験できる症例や手技が自分の希望と異なるという状況です。

「やりたいことがある」「成長したい」というポジティブな理由である一方、「この医局では十分な経験ができない」というニュアンスでとられかねないため、注意が必要です。

また国内留学など、「一時的に離れるという形にしないか」という引き止めも起こりやすいです。

 

下の記事では、所属医局を変更することについてまとめています。

関連記事
医局を変更する
所属医局を変えることについて徹底解説 ~理由・方法・注意点~

 

理解されやすさ:★~★★

 

⑦ 健康面

健康面も、よくある理由の一つです。病名がつくような状態であることもありますし、精神的、体力的に継続が困難という状況もこれに含まれます。

これに関しては、意外に理解されにくいこともあります。「もう少し頑張れないか」「負担の少ない病院に異動にしよう」といった引き止めをされる可能性が高いです。

「本人の体調を他人から見て評価しにくい」、「人事を拒否する理由として健康が使われがち」という事情があるためと思われます。

自分で自分の体調を把握し、必要に応じて行動することが重要です。

理解されやすさ:★★

 

⑧ 人間関係

どうにも合わない人がいるという理由です。部下の側が辞める場合が多いです。

人間性に問題のある人というのは医局にも認知されており、その周囲が苦労している状況が伝わっていることも多いため、理解される場合もあります。

まずは人事異動で対応する道を探すことになりますが、研究や専門特化した人材の場合は、異動で対応できず退局という運びになることも珍しくありません。

また医局そのものと折り合いが悪いというパターンもあります。この場合は理解とは異なるものの、引き止めは少ないといったことがおこりえます。

理解されやすさ:★~★★

 

⑨ 人事が辛い

表立って伝える人は少ないものの、実際のところは多い理由の1つではないでしょうか。

数年に一度の異動が続く環境は、将来設計が立てにくく、家庭がある場合は家族への負担も大きいです。不公平感を感じる場合もあるでしょう。

 

シンプルに金銭面だけをみても、大きな負担ですよね。
関連記事
医師が医局人事で失うお金は○万円!?試算をしてみた

 

ただ現在医局にいる人は我慢してきたことであり、医局運営への不満とも取れる理由であるため、理解されにくい傾向があります。

理解されやすさ:★

 

⑩ 年収を上げたい

これも実際のところは多いのではないかと感じています。ただ医師が金銭を求めることに対して、ネガティブな印象を抱く人は少なくありません。

主な理由にはしないほうがいいのはもちろん、複数ある理由のうちの1つとしてあげるのも控えておくのが無難です。本意ではなくても、そこだけを切り取られてしまう可能性があります。

理解されやすさ:★

 

⑪ 大学病院を離れたい

大学病院の働き方や雇用条件が合わず、大学を離れたいというパターンです。

統計をみても、大学病院は市中病院と比べて勤務時間が長いことが明らかです。

画像引用元:第9回 医師の働き方改革の推進に関する検討会 参考資料3

 

大学病院勤務医の47.1 %が、60時間/週を超えていることになります。ちなみに月250時間(時間外労働が月80時間)を超えると、過労死を招くリスクがあると言われています。250時間/月は約58時間/週です。

一般論で考えれば、辞める理由として十分成立するものです。

 

関連病院に異動できれば良いのですが、大学としても代わりになる人材がいない、関連病院に空いているポストがないなどの理由から難しい場合もあります。

大学医局への不満ととられる場合が多く、スムーズに話が進むのがなかなか難しい印象です。

理解されやすさ:★

 

⑫ 教授交代時に追い出される

個人の理由ではなく、医局側の都合で辞めなければならない場合です。

外部から教授が来た場合に起こりやすいです。大学でポストについている医師が追い出され、関連病院にもポストがないため医局を離れざるを得ないという状況になります。

理解されやすさ:-

 

 

・・・さて、よくある理由を12個みてきました。

無理に細分化すればさらに多いかもしれませんが、実際は、この中のいずれかに当てはまるのではないでしょうか。

 

うまい退局理由の伝え方

 

ポイントは3つ

退局理由を伝えるときの、ポイントは下記の3つです。

・やむを得ないと思われる理由を伝えるのがベター
・少なくとも、医局側に原因があるような言い方はしない
・必ず辞めることはできる

 

できることならば「地元に帰ります」「結婚して相手のところに移ります」など、退局者としても医局としても、やむを得ないといえる理由を用意できれば、非常にスムーズです。

それができない場合でも、「原因は自分の側にある」というニュアンスで伝えることをおすすめします

最低限これさえできれば、100 %納得してもらえなくても、「揉める」ということは起こりにくくなります。

 

そして最後のポイントは、医局側が納得する理由かどうかは関係なく、最後まで「辞めます」と言い続ければ必ず辞めることができるということです。

関連記事
医局が辞めさせてくれない?引き止めが強すぎる?そんなときの対策

 

うまい伝え方の例

上記の3つのポイントを踏まえて、うまい伝え方の例をお示しします。

 

地元に帰る

親も高齢になってきてました。身の回りのことなどを手伝うため、地元に戻りたいと考えています。

結婚

結婚することになり、相手の勤務先の近辺(あるいは地元)で生活することになりました。

開業

開業をするため、医局人事からは離れさせていただきたいと思います。

転科

以前から〇〇科に興味があり、そちらに転科したいと思います。ゼロからのスタートになり、資格のことも考えるとすぐに移りたいと考えています。

栄転・コネクションを使った転職

以前からお世話になっていた〇〇病院の〇〇先生からお誘いをいただきまして、悩みましたがそちらで仕事をしていきたいと思います。医局人事から、離れさせてください。

 

ここまでは、引き止めようもないのでシンプルに事情を伝えるだけで十分でしょう。

 

健康、出産・育児、人事

これらについては、「負担を減らすから」などという引き止めがされる場合があります。

・〇年前から体調があまりよくなく、病院にかかっていました。あまり改善はしておらず、環境を変えて、ゆっくり働きたいと考えています。

・疾患名がつくようなものではありませんが、体力的(精神的)につらく、環境を変えて、ゆっくりと働きたいと考えています。

・今後出産、育児をしていくにあたって、もう少しゆったり働ける環境に変わりたいと考えています。

・転々とするのではなく、落ち着いて生活をしていきたいと考えています。

 

こういった事情に加えて、

・自分だけ負担を減らしていただくのは、周りの方にとって不公平になってしまいますし、引け目を感じながら(焦りながら)働くのもつらいので。

などの一言があれば、「負担を減らす」という引き止めへの返答になるでしょう。

 

人間関係、給料、大学を辞めたい

真っ向から医局や個人を批判することにつながりかねないので、これらは理由の一つとしても挙げないほうが無難です。

 

どの伝え方も、原因を「自分側」に置いているのがポイントです。

 

まとめ

医局を辞める理由としてよくあるものと、うまい伝え方の例を解説しました。

よくある理由

  • 地元に帰る
  • 結婚、出産、育児
  • 開業をする
  • 転科する
  • 栄転/引き抜き
  • やりたい仕事ができない
  • 健康上の理由
  • 人間関係
  • 人事が辛い
  • 年収を上げたい
  • 大学を離れたい
  • 教授の交代によって辞めざるを得ない

そして伝え方のポイントは、下記の通りです。

・やむを得ないと思われる理由を伝えるのがベター
・少なくとも、医局側に原因があるような言い方はしない
・必ず辞めることはできる

 

今回は以上です。

 

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