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医局に入る前

入局してはいけない医局。そのたった1つの特徴とは

2021年8月28日

入局してはいけない医局

 

どの医局に入るか迷っています。医局についてはいろいろ噂を聞くので、〇〇科の医局に入っても大丈夫なのか…決心がつきません。

今回はこんな悩みについてです。

 

この記事を書いている僕は元医局員で、退局、転職を経て、現在は医局外で仕事をしています。

転職活動中や転職後には、医局を辞めた人の話を聞く機会が多くありました。

そんな経験をもとに、「入局してはいけない」医局の特徴について解説をしていきます。

では、行きましょう!

 

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「デメリットがある=入ってはいけない」ではない

 

医局のメリット・デメリットと入局率

そもそも医局には、医局員にとってメリットとデメリット両方があります。

メリットは下記の通り。

・関連病院で働ける
・休職するとき代理を立ててもらえる
・頼れる人が増える
・さまざまな環境を経験できる
・キャリアについて迷わずにすむ/転職活動が不要
・専門分野がもてる
・定年後も仕事が用意される

詳しくはこちら
医局に入るメリット
医局に入るメリット7選【元医局員が語る】

デメリットは下記の通り。

・人事異動がつらい(金銭面、家族の生活面、職場環境の変化など)
・何かとお金がかかる
・相場より安く働かなければならない時も
・自分のキャリアが他人任せになる
・他人の人生の影響を受ける

詳しくはこちら
医局に入るデメリット
医局に入るデメリット5選【元医局員が語る】

 

おおまかにいうと経験や人脈、若手が修行しやすいポストといったものにアクセスしやすくなる代わりに、金銭面、生活面、労力面である程度の負担があるという制度です。

多かれ少なかれどこの医局にも、このような負担はあります。それでもメリットもあるため、初期研修修了後には8割の医師が医局に入ります

つまり負担を逐一あげて、「こんな医局には入ってはいけない」というのは、現実に沿っていないように思います。

 

例えば仕事が忙しい、あるいは異動が多いからといって、「入ってはいけない」とまで言うべきではないと思っています。

 

自分に合う医局のみつけ方

メリット・デメリットや様々な医局の特色があるなかで、うまくやっていくためには自分に合う医局に入ることが重要です。

下記のようなポイントをみておくと、入る前にどんな医局か判断しやすいでしょう。

ここをチェック!

  • 関連病院の数と範囲
  • 医局の支配力
  • 最近の医局員の増減
  • 結婚、出産、子育てへの配慮
  • 若手の教育
  • 教授の印象
  • 教授の年齢
  • 大学病院医師の収入
  • 大学院生の状況
  • 自由にアルバイトをしてもよいか
詳しいチェック方法
医局の選び方を徹底解説 チェックしたいポイント10選

 

辞められるのならば大丈夫

入局前に上記のようなチェックをして、自分に合った医局に入ることができればベストです。

ただ外からは分からないことも多いですし、自分の価値観が変わることもあります。

10年経つと仕事に対する考え方が、自分の中で大きく変わります。

 

そんななかで、最も重要なことは

・スムーズに辞められるか
・辞めるときにペナルティがないか

です。「いざというときに辞められる」のならば、大きな問題にはなりにくいです。

 

結論:「干す医局」には入ってはいけない

 

さて、ここで結論です。

退局者を地域から締め出すなど、いわゆる「干す」文化のある医局には入ってはいけないと、僕は思います。

上でも書いたとおり、自分に合わずしんどいと感じても「スムーズに辞められさえすれば」問題にはなりにくく、むしろ経験値としてはプラスという場合も多いです。

 

例えば「仕事が忙しかったり、異動が多かったり」は苦労であったと同時に、自分にとって必要な経験でもありました。

 

しかし干す=辞めるときにペナルティがあるような医局に関しては、入ったこと自体がマイナスになってしまいます。

こんな医局は、全力で避けることをおすすめします。

 

そもそも「方向性を違えたものを排除する、罰する」という雰囲気は、あまり心地いいものではなさそうです。

 

干す医局の見分け方

 

下記のような特徴のある医局は、気をつけたほうがいいでしょう。

 

多くの退局者がその地域を離れている

これはかなりはっきりした「干す医局」の根拠となります。

1人2人であれば、結婚やUターン転職など家庭の事情ということもあるかもしれませんが、それ以上続くということになると「辞めたあとに近隣で働きにくい」可能性がかなり高くなります

 

スタッフを追い出したことがある

医局運営をしていくなかで、どうしても考えの合わないスタッフがでてきます。

関連病院に出向という程度であればよくある話ですが、医局外に追放したというエピソードが出てきた場合は注意が必要です。

特に教授が変わったタイミングで、「昔からのスタッフを…」ということが起こりやすいようです。

 

お礼奉公の文化がある

医局員をなるべく引き止め、長く働いてもらおうという空気感は、どこの医局にもあります。

ただし、

・専門医取得後、○年間は必ず医局にいなければならない
・退局するときには、○年間田舎の病院で働かなければならない

このご時世にこんな具体的な取り決めがある医局も、要注意です。「もし守らなければ…」という圧力を感じますよね。

 

個人的な意見として、「医局員は医局から教育を受けると同時に、医局にも貢献してもいる」ので、辞めたいと思ったあとの年単位での恩返しは不要だと思うのです。

 

「他医局と迷っている」というと態度が変わる

志望科や入局先を迷っている若手の方は、考えが変わってしまったり、他と迷い始めたりということがよくあるのではないでしょうか。

特に研修医2年目の医師が、春頃に考えが変わって「前までの志望科に伝えるのが憂鬱だ」と言っているのをよく目にします。

こういった迷いを伝えた後に態度が大きく変わる医局は、おすすめしにくいです。

いざ医局を離れたいと思ったときには、それ以上の反応を覚悟しなくてはなりません。

 

ただし秋頃になると、新入局者も含めて次年度の人事を組み始めるので、「それ以降に意思変更をされると困る」というのは、医局側として自然な反応だと思います。

 

他医局の悪口が多い

やや漠然とした特徴ではありますが、「他科や他大学の医局の悪口が多く聞かれる」という場合も、気をつけたほうがいいかもしれません。

 

干す意図はなくても

 

ここまでは「退局者を干そうとするような医局は良くない」という論点で書いてきました。

しかし医局側に干す意図がなくても、結果として「その地域では専門性が活かせる職場が、医局外にない」という場合があるというのも知っておいたほうがいいでしょう。

医局をやめる以上、当然ながら医局の関連病院では働けなくなります。

問題となるのは、

・地方で住みたい
・中~大規模の病院でしか専門性が活かせない分野に進む
⇒医局外の選択肢がかなり狭くなる。

という状況です。

(地域性や科の特色によって差が大きいので、具体的に書くのは難しいですが)志望科・専門領域を選ぶにあたって、「万が一、医局を離れることになったときの影響の大きさ」も考慮したほうがいいでしょう。

 

まとめ

「入ってはいけない医局」というテーマで解説してきました。

ポイント

  • どの医局にもメリット・デメリットがある
  • いざというとき辞められる医局ならば、問題ないと思う
  • 退局者を干す医局だけは、避けたほうがいい
  • 医局外に選択肢が少ない領域もある

進路を決めるというのは、一大決心であり、絶対に失敗したくないですよね。

しかし医師人生は、定年までと考えても40年くらいあります。実際にはこの長い期間、常に正解を選び続けるというのは、ほぼ不可能でしょう。

 

そんななかで、

・将来にまでマイナスの影響を及ぼす選択をしない
・行き止まりにならない選択をする

ということが重要ではないかと思います。

さて、今回は以上です。この記事が、将来を考える手助けになれば幸いです。

 

こちらの記事では、「医局に入る」というテーマ全般を広く解説しています。よろしければどうぞ。

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