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医局に入る前

医局に入るデメリット5選【元医局員が語る】

2021年5月10日

医局に入るデメリット

 

自分の進む科は決まった。さて入局をしようか、やめておこうか...医局って怖いイメージもあるし...医局に入るデメリットを教えてください。

 

こんな疑問に答えます。

この記事を書いている僕は、入局してから約8年間、医局員として過ごしました。その後は退局、転職を経験し現在に至ります。

偶然か必然か、退局を経験した方々と話す機会もこれまでに多くありました。

こういった経験を活かして、「医局に入るデメリット」についてまとめました。

 

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① 人事異動がつらい

 

医局は医局員に対して人事権を持っていて、その指示には従わなければなりません。具体的に人事異動のつらい点は下記の通りです。

・金銭面
・家族の生活面
・職場環境の変化
・急な異動/期間限定の異動

金銭面

転勤のある一般企業とは異なり、医局が医師を雇うわけではありません。

ポイント

異動となると、一度病院を自主退職しなければなりません。

ここが医局制度のしんどいところです。

 

これにより異動のたびに、ボーナスや有給休暇、退職金がリセットとなってしまいます。

引っ越し費用や新たに家を借りる費用、子供の転校にかかわる費用などもかかります。これらは医局から支給されません。

また将来的に給料の安い病院に異動になる可能性もあるため、そのときのことを考えると貯まったお金を使いにくいというデメリットもあります。

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家族の生活面

地域とのつながり

転居となると、家族にも大きな影響があります。配偶者も子供も、その地域で人間関係を築いて生活しています。異動によってこれが根こそぎなくなってしまいます。

この影響は、後になればなるほど大きくなります。自分も子供も、そして両親も歳を重ねていき、地域との結びつきは強くなっていきます。

「子供が幼稚園に上がり、物心がつきはじめ、友達ができたタイミングでの転居」というのは、僕が退局を決めたダメ押しとなりました。

引っ越しの日に、友達が見送りに来てくれて、泣きながらそこを去った日のことは、この先忘れることはないと思います。

 

異動を考えるとマイホームを買うハードルも、かなり高くなります。

医局を信じて買うか、ずっと賃貸で過ごすかという選択を迫られます。

 

子供の教育

近年は、子供など家庭の事情に配慮する医局も増えました。

ただ配慮も絶対ではないため、子供の塾や学校などについて、長期の計画が立てにくくなります。

 

こういった負担は、転勤のある他の業種でもあることです。

ただ医師であれば、医局に入らないことで転勤のない環境を手に入れることもできます。

 

職場環境の変化

職場環境の変化には、大きなストレスと労力がかかります。

カルテや物品の仕様、ローカルルールなど新たに覚えることが多く、再び力を発揮するまでに時間がかかることもあるでしょう。

せっかく作り上げた信頼関係も、全てゼロから作り直しです。働きやすいように組み上げたシステムも同様です。

異動がなく残る立場になったとしても、引継ぎや新人の教育で多くの労力が割かれることになります。

 

急な異動/期間限定の異動

急な欠員が出た時、それを埋めるために誰かが急な異動をしなければなりません。その場合、通常の異動よりもさらに影響が大きくなります。

さらに問題なのは、期間限定の休職者が出た場合です。半年、1年限定で遠方の病院に勤めることなったとき、転居をするのか通うのか、家族がいる場合は単身赴任をするかなど金銭面、体力面で大きな負担がかかります。

こういった負担に対しても、医局からの補填はありません。

 

② 何かとお金がかかる

 

医局に属していると、異動にかかるもの以外にも、何かとお金がかかります。

まずは同門会費などの交際費です。同門会に所属する費用、同門会の出席費用、その他の医局の飲み会とその交通費を併せて、年間数万円~5万円程度ではないでしょうか。

また大学病院に所属していると、医局費がかかります。おおよそ月に数千円~1万円程度が相場のようです。

最も大きいのが寄付金です。教室が学会を主催する場合や大学の記念事業がある場合は、寄付金を払わなければなりません。

寄付金の額は、寄付を募る目的や就いている役職にもよりますが、〇十万円~〇百万円単位になることも珍しくはありません。

 

③ 相場より安く働かなければならない時も

 

医局から人員の派遣が確約されるのを見越して、給料が相場よりも安く設定されている病院もあります

そういった病院は医局側も嫌うため多いわけではありませんが、僻地の場合は相場と比較して給料がかなり安い印象です。

似たような僻地病院で働くならば、医局の関連病院外で探したほうが給料が上る可能性が高いです。

 

大学病院の給料が安すぎるというのも有名な話です。バイトも合わせれば額自体は異常に安いわけではない、というのが僕のイメージですが、時給換算すれば非常に低い水準になるのは事実です。

最低賃金を割り込むという話も...

 

④ 自分のキャリアが他人任せになる

 

働く場所を医局に任せるということは、習得できるスキルが医局任せになるということです。

教材や勉強会などはたくさんあり、インターネットでの学習環境も整ってきています。個人の努力でどうにかなる部分もあるでしょう。

しかしやはり働いている場所で求められるスキルは伸びていき、経験できないスキルは伸びにくいです。

悲惨なのは、臨床がしたいにもかかわらず、長く研究や教育といった業務を主体に割り当てられたときです。

十分な臨床経験が積めないまま、辞めるに辞められないという状況に陥ってしまいます。

 

⑤ 他人の人生の影響を受ける

 

これまで書いてきた内容とも被りますが、医局に属すと他人の人生の影響を大きく受けます

異動に関してはそれが顕著です。

・あそこで欠員が出たから、異動にしなさい
・他の人が拒否したから、お前しかいない
・半年だけ、他県の病院の穴埋めを

という事情がよく聞こえてきます。

・大学で記念館を建てるから、寄付しなくてはならない
・一定期間、かなり安い給料で働かなければならない
・他の人の仕事を、肩代わりする
・自分が習得したいスキルが習得できない
・事情がある人は、〇〇が免除される

こういったことも、他人の人生の都合です。そして公平な世界ではありません。

 

負担があまりに大きくなってしまうと、どうしても「あの人のせいで」という思考になってしまいます。

良くない思考だなとも思うのですが、どうしても...

 

ポイント

医局に属していなければ、良くも悪くも自分の立場に対して自分で責任をとるという人生になります。

これはこれで、楽ではないんですけどね。

 

まとめ

医局に属すデメリットについて解説しました。改めてまとめると下記のとおりです。

医局のデメリット

  • 人事異動がつらい
  • 何かとお金がかかる
  • 相場より安く働かなければならない時も
  • 自分のキャリアが他人任せになる
  • 他人の人生の影響を受ける

 

金銭面、生活面など多岐にわたります。

僕の体感では、こういった影響は年齢が上がるにつれて大きくなっていきます

若いうちは医局にいるメリットが大きいけれど、徐々にデメリットが大きくなっていく。そして30代40代で「さて、どうするか」と悩むというのがよくあるパターンのように思います。

 

さて、今回の記事は以上です。皆様のキャリア形成の参考になれば幸いです。

 

下の記事では、医局に入るメリットについても解説をしています。よろしければそちらもどうぞ。

医局に入るメリット
医局に入るメリット7選【元医局員が語る】

 

医局に入ること全般を、詳細に解説した記事はこちら。

「医局に入る」徹底まとめ~方法・メリット・考え方~

 

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