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医局に入る前 働き方/その他

大学病院の働き方の特徴を、関連病院と比較して解説

2021年5月11日

大学と関連病院の比較

 

医局に入ると、大学病院と関連病院を行き来すると聞きました。どちらが自分にあっているのか...働き方の違いを教えて下さい。

こんな疑問に答えます。

この記事を書いている僕は学生時代から色々な医局を見学に行き、入局してから約8年間、医局員として過ごしました。その後は退局、転職を経験し現在に至ります。

8年の間に、大学病院、関連病院両方で仕事をしました。その経験をもとに大学病院での働き方の特徴を、関連病院と比較してお伝えします

大学が診療内容が専門的、先進的であることは当然として、この記事ではそれ以外の「働き方」の部分にフォーカスしたいと思います。

 

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仕事の種類が多彩

 

大学病院は圧倒的に仕事の種類が多彩で、マルチタスクが得意な人向きの職場です。逆に市中病院は、直接診療に関わる時間の割合が高いです。

大学病院の日常診療以外の仕事は、下記の通りです。

① 学生の講義や実習
② カンファレンス
③ 研究や学会活動
④ アルバイト

① 学生の講義や実習

医学部生の講義の一部は大学病院に勤務している医師が行います。助教、講師等の役職が付き始めると、徐々に講義をする時間が増えてきます。

若手のうちは、講義をする代わりに、プリント配りや出席確認、実習の手伝いを行います。

また病棟では、ポリクリ生や初期研修医の指導を行います。

 

② カンファレンス

大学病院は診療に関わる医師の数が多く、また他科と協力する場面も多いため、どうしてもカンファレンスが多く、大規模になります。難しい症例、特殊な症例が多いことも、関係しています。

また「カンファレンスで若手の教育を」という文化があるためか、カンファレンスの準備が入念に行われます。スライド作成や想定される質問への回答準備が、負担になることも多いです。

こういったカンファレンスは、準備段階も含めて勉強になります。

 

③ 研究や学会活動

一定の研究成果を挙げることは、大学医局に課された使命です。このため大学病院の医師も、大なり小なり研究を抱えています。

若い医師は、指導医に渡された課題を抱えていることでしょう。大学院生は論文を1本書かなければ、卒業ができません。

中堅以上の医師は、若手に研究課題を渡しながら、自らも研究を抱えている場合が多いです。

大きな学会があると、演題を提出するようにとお達しがあり、その準備に追われます。学会が近づくと、その予行演習が行われます。

所属する医局が学会を主催するとなると、かなりの労力がかかります。学会主催の専門の委託業者と協力して、学会を作り上げなければなりません。

 

④ アルバイト

大学病院の給料は安いです。そのため、医局が斡旋するアルバイトに出なければなりません。週2回程度、というところが多いようです。

医局が持っているアルバイトの数やその給料は、医局員の生活に直結します。アルバイト先の数と質こそ、医局の力です。

アルバイト先が大学病院の近隣ならば負担は少ないですが、僻地や県をまたいだ移動が必要となる場合もあります。

アルバイト以外の日が大学病院勤務ということになりますが、患者さんのなかには、常に治療が必要な方もいます。そういった方を担当する場合は、アルバイトの前後に大学病院で仕事をする必要があります。

 

年収は、やや安い

 

ネット上で調べてみると、「大学病院勤務の医師の平均年収は800万円~1000万円で、一般的な勤務医と比較して数百万円は低い」という内容の記事が多くみられます。

大がかりな調査のもとで算出された結果なので、はっきりと否定はしにくいものの、もう少しもらえている印象があります。

この調査での「大学勤務の解答者」は「他病院勤務の解答者」と比べて、若い医師の占める割合が高いのではないかと勝手に疑っています。

大学病院勤務と他病院勤務で、年齢をそろえれば、「年収は大学がやや安い」程度くらいに収まるのでは、というのが個人の感想です。

市中病院の給料の半分程度を大学病院からもらい、のこりをアルバイトで補うイメージです。

ただし年収には、大学間、医局間、個人間で額のバラツキはあるようです。

大学病院の給料で言えば、医員、助教、講師、准教授、教授どの役職がつくかで変わります。無給医=もらえないこともあります。

またアルバイトの給料も、高いものから低いものまであります。医局がどれだけ良いアルバイト先を持っているか、どれが割り当てられるかで、年収は大きく変わります。

 

仕事時間は長い

 

先程も書いたように、通常の診療外の業務を多くこなさなければならないため、関連病院よりは一般的に忙しいです。カンファレンスや勉強会など、時間外の拘束時間が長いのも特徴です。

収入の額は関連病院よりやや安いくらいと書きましたが、仕事時間が長いので時給換算するとかなり低くなります。この点はほぼ間違いないです。

 

診療に個人の癖がでにくい

 

診療に個人の癖がでにくい印象です。その要因として1症例を多くの医師の目でみるということがあります。

また最新の知識に触れる機会が多く、自らも発表するので時代遅れの治療にはなりにくいです。

それぞれの症例に関して、後にまとめて論文化する可能性があるため、できるだけ条件を一定にしておきたいという要因もあるようです。

ただ例外的な症例に対して、例外的な治療を行うことは多々あります。

診療そのものに関しては癖が少ないですが、それ以外の検査オーダーや事務手続きに関してはローカルルールも多く、やや不便な場合もあります。

 

飲み会が多い

 

「働き方」とは多少異なるかもしれませんが、大学病院では飲み会が多く開催されます。

学生や研修医の出入りが多い、カンファレンスなどで交流が広がりやすい、学会など行事に伴う打ち上げがあるなどが主な要因です。

経験上、少なくとも月に1回程度は何らかの飲み会があったように思います。

 

まとめ

関連病院と比較して、大学病院での仕事について解説しました。

・仕事の種類が多彩
・年収は、やや安い
・仕事時間は長い
・診療に個人の癖がでにくい
・飲み会が多い

良い点としては勉強になることが多い。悪い点としては仕事時間(拘束時間)が長い。ということが挙げられます。

今回は以上です。

 

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