今回はこんな悩みがテーマです。
この記事を書いている僕は、医師歴約10年。その半分以上を、「医師に向いてない」と感じながら過ごしてきました。
そんな僕ですが、少しずつ
・自分は医師に向いているのかもしれない
・医師の仕事が楽しいかもしれない
そう感じられるようになりました。
こんな経験をもとに、「医師に向いてないと思った時に試してほしいこと」を4つ解説しました。
では、みていきましょう!
※初期研修医の方は、下の記事へ移動してください。別で解説をしています。
研修医がドロップアウトしないための考え方【つらいと感じたら】
・体調を整える/つらいと周囲に伝えてみる
まずは体調に問題がないか、確認してみてください。「医師に向いていない」と感じてしまう時期には、ここに何らかの問題を抱えてしまっていることも多いです。
体調が整わない限り、将来に関する正しい判断をすることが難しくなります。
また「なんとなく環境を変えたほうが良い」と感じてはいても、大きな決断や行動をとるだけの活力も湧いてきません。
状態によっては、産業医や心療内科といった専門家への相談が必要かもしれません。
また自分が抱えている問題をオープンにすることで、取り巻く環境が改善するというのはよくある話です。
ポイント
つらいとき、うまく周囲にそれを伝える能力は、長い医師人生のどこかで必ず必要になります。
・めちゃくちゃ努力してみる
当たり前のことを言うようですが、努力、勉強をすると、それだけ医師としての自分の実力はあがります。
何のひねりもない方法ですが、「能力面で向いていない」と感じるならば、努力するのが最も手っ取り早いです。
本を一冊読むだけでも、読む前と比べて、見えるものが違うことが実感できるはずです。
何か一つ自信を持てる分野を作ると、淡々と流れていく仕事の中のアクセントになります。周りの人の役に立てる場面も増えます。
多くの人は、レンガを積むように成長することはできません。砂を積んでは崩れ、積んでは崩れ、少しずつ山を高くしていくイメージです。
・職場を変えてみる
3つ目は、職場を変えるということです。
「医師に向いてない」のではなく、今の職場、働き方に向いていないだけかもしれません。
転職には3つの視点があります。
・労働条件を変える
・人間関係を変える
・働き方を変える
1つずつ、みていきましょう。
労働条件を変えてみる
勤務時間、給与、仕事内容などの労働条件を変えるという視点です。
ちなみに、医師全体の平均労働時間は約52時間/週とのことです。(※外来や入院などの診療時間、教育や研究などの診療外時間、当直などの待機時間を含めて計算されています。オンコールの待機時間は含められていません)
参照元:医療従事者の需給に関する検討会 第28回 医師需給分科会 参考資料5
別の検討でも、男性約58時間/週、女性52時間/週と似たような結果が出ています。
参照元:第9回 医師の働き方改革の推進に関する検討会 参考資料3
平均給与はこちらです。
25-29歳 | 30-34歳 | 35-39歳 | 40-44歳 | 45-49歳 | 50-54歳 | 55-59歳 | 60-64歳 | |
男性 | 676.5 | 952.1 | 1262.8 | 1414.7 | 1503.9 | 1739.1 | 1745.2 | 1809.2 |
女性 | 653.2 | 855.9 | 1086 | 1317.8 | 1254.9 | 1510.6 | 1878 | 1361.7 |
単位:万円
これより悪い労働条件で働いているならば、転職によって改善する可能性があります。
ポイント
良い労働条件は、前向きな気持ちで働くモチベーションになります。
また転職によって、自分に「向いていない仕事」を避けられる環境が、手に入るかもしれません。
人間関係を変えてみる
「仕事に向いていない」と落ち込む時、その原因が人間関係であることも多いです。
特に上司からは、良くも悪くも大きな影響を受けます。小さな職場であれば、周囲と自分どちらが正しいかわからず、自分を責めてしまうこともあるでしょう。
他人の性格や行動を変えることは難しいです。人間関係を変えるという点でも、転職はいい方法の1つです。
働き方を変えてみる
医師にできる働き方は多様です。
・週5日常勤(実質6日以上の場合も)
・週4日常勤(+非常勤1日)
・フリーランス=非常勤のみ
・開業、起業
人にはそれぞれ「自分に向いている」働き方があります。それを探すことが、「医師に向いている」への近道です。
休日にスポットバイトをやってみるというだけでも、視点が変わり、人生が変わるきっかけになるかもしれません。
「試しに病院開業」はハードルが高すぎますが、医師以外の小さなビジネスをやってみるというのはオススメです(次の「医師以外として働いてみる」の項で解説)。
ポイントとなる考え方
「自分に向いている仕事」を手に入れるためのポイントは
・一定以上の嫌なこと
・他人よりうまくできないこと
を少しずつ削ぎ落としていくイメージです。
自分が「向いていない」と思うことを削ぎ落とした時、それでも「医師としての仕事が残るか」どうかです。
・医師以外として働いてみる
医師以外として働いてみるメリット
医師以外として働いてみるのも、かなりオススメです。
ポイント
これによって「医師としての自分に足りないもの」から「持っているもの/できること」に、目が向くようになります。
このブログは、仕事としての熱量で作っています。でも初めはうまくいかないことばかりでした。
・ブログや副業について、勉強することが多すぎる
・勉強しても理解できない
・ブログが誰にも読まれない
当然です。なにもない更地に一から立ち上げていくわけなので。
そんな「なにもない視点」から、ふと医師としての自分をみたときに
・医師として、積み上げてきたもの
・医師として、自分にできること
に目を向けることができました。
医師以外として働くときのポイント
医師以外として働くときのポイントが2つあります。
① 人に雇われて時給で働かないこと
誰かが作ったビジネスのなかで、時給で働いても、意義は薄いと思います。すべきことも、結果も決まりきっているからです。
時給1000円程度で単純作業をして、「やっぱり稼げないな」で終わってしまいます。
②医師も継続しながら小さく始めること
医師の仕事をすべてやめ、収入を断ってというのは現実的ではありません。
生活に支障がない範囲ではじめて
・うまくいかなければ、これまでの仕事に戻る
・うまく行けば、大きく育てる
という方針をおすすめします。
現在の仕事を続けつつ、週末や昼休みに作業をするというのがミニマムなやり方です。
医師の仕事は非常勤で続け、生活の不安がないなかで、昔からの夢にチャレンジするのもいいでしょう。
ポイント
まずは、小さく小さく。なるべく後戻りができるように、始めるのがポイントです。
ブログはおすすめ
例えば、ブログはおすすめできます。初期費用や継続費用が非常に安いです。納期がないので、自分のペースで進めることができます。
また広告を付けなければ、読者だけは増やして、お金は手にしないということができます。
もし読者がどんどん増えれば、副業が許可される病院に転職して、広告をつけるのもいいでしょう。
・まとめ
医師に向いていないと思ったときに、試したいことをまとめました。
試してほしいこと
- 体調を整える
- 努力という力技で「向いている」に変える
- 自分に「向いている」職場を手に入れる
- 医師以外として働いてみる
僕はこの4ステップで、医師としての自分を前向きに捉えられるようになりました。
医師の世界は、思っていたよりも多様性に寛容で、懐が広いようです。
さて、今回は以上です。
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