医局に入る前

【医局とは】患者さんにとって、医局はどういう存在か

2021年5月6日

患者にとって医局とは

 

医局について、大まかな構造はわかりました。でもそれが具体的にどういった意味をもつのか、イメージできません。患者さんにとって、医局はどんな存在ですか。「何大学系の病院か」は、重要なのでしょうか。

こんな疑問に答えます。

この記事を書いている僕は、入局してから約8年間医局員として過ごしました。その後は退局、転職を経験し現在に至ります。

このブログでは医局を内側、外側の両方で働いたことでわかった、医局の実態をお伝えしています。今回は「患者さんにとって、医局がどういった意味を持つのか」について解説します。

 

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辺鄙な地域でも医師の確保ができる【良い点】

 

辺鄙な地域での医師確保は難しい

日本では、都会にも田舎にも十分な数の病院があり、それほど遠出をせずとも必要な医療を受けることができてきました。これは医局の存在が関係しています。

本来田舎や僻地には、医師は来にくいです。来るとしても需要と供給の関係から、都会に比べて高い給料を用意しないと雇えません。

その反面、こういった土地の病院は、都会に比べて患者数が多いわけではありません。医療の値段は保険で決められているため、勝手に値上げするわけにもいきません。

辺鄙な地域の病院では、医師を確保しつつ利益をあげるということがなかなか難しいのが現実です。

 

医局が地域医療の担い手だった

医局が人事権を使って医局員をこういった土地にも派遣することで、給料をそれほど高く設定することなく、常に必要な人員の確保ができてきました。

医局も人事を強制するばかりではなく、「2年間だけ頼む」などの条件をつけたりします。これも多くの人員を抱えて持ち回りができる、医局ならではのことです。

大学病院や白い巨塔といえば、患者さんをそっちのけで権力闘争をしているイメージがあるかもしれません。しかし地域医療にとって、医局は大きな貢献をしてきたといえます。

もし医局の力が弱まると、こういった地域の医療がより厳しい状況になっていきます。

 

主治医が異動になる【悪い点】

 

逆に医局の存在が、患者さんにとってデメリットに働くことはないのでしょうか。

患者さんにとってのデメリットを強いてあげるとするならば、医師の異動が頻繁に起こることです。

医局は定期的に人事異動があります。欠員を埋める、ローテーションさせることで経験を積ませるなどがその目的です。

若い医師であれば、2-3年に一度は異動があります。

短期間で治ってしまう病気ならば、このことは関係ありません。しかし長期間付き合っていく病気であれば、主治医がコロコロ変わることが気になるかも知れません。

ただそういった病院では、医師の入れ替わりにも慣れているので、次の医師への引き継ぎシステムは整備されています。

 

「白い巨塔」は昔の話【影響はそこまでない】

 

良い点、悪い点を解説してきましたが、この2点以外に、医局が患者さんに影響を与えることはあまりありません。ポイントは次の2つです。

・医療の内容の均一化
・大学医局間の垣根が下がった

医療の内容の均一化

患者さんから

「ここは〇〇大学系の病院ですよね?」

「先生はどこ大学系ですか?」

と聞かれることを、一度は経験するのではないでしょうか。

患者さんにとって治療は我が身に関わることであり、信頼できる医師か気になってのことなのでしょう。

しかし少なくとも近年は、医療の内容が均一化し、この病気ならばこの治療、というのがおおよそ決まっています。どの地域にいても似たような医療が受けられるようになっていると感じます。

現代では、インターネットによってどこからでも最先端の情報に触れられます。日々の診療に直接役立つセミナーも数多く開催されています。本も、日本全国に届けてもらえます。

別の大学の関連病院で働いたこともありますが、日々の診療内容がそれほど違うと感じたことはありません。

医師個人個人の間には能力の差があるかもしれませんが、「医局」同士を比べた時、「ここの医局の人は常に優れている」「ここの医局の人はだめだ」と感じた事はありません

 

大学医局間の垣根が下がった

「近隣の大学同士はライバル企業で、医局外と協力することはない」という時代があったのかも知れません(あまり昔のことはわかりませんが…)。

しかし近年は、治療上必要がある場合は、迷わず他大学系の病院にも紹介します患者さんが希望した場合も同様です。困ったとき相談するネットワークも充実しています。

さらに他大学系の関連病院に、若手が修行に出ることもあります。この動きは技術向上の面、交流の面で大きなメリットがあります。

医局間、医局内外の垣根は下がってきています。働いていて少なくとも患者さんにデメリットがない程度には、低いものになっていると感じます。

 

今回の記事は以上です。

 

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