

今回のテーマは「医局と独身医師」です。
この記事を書いている僕は、独身時代に医局に入りました。その後結婚をし、現在は医局の外で働いています。
僕にも独身医局員の時代がありましたし、医局時代の友人にも独身の人がいます。
そういった立場の医局員は家庭を持った医局員と比べて、なんとなく負担が重いようにみえました。
そんな経験をもとに、この記事を書きました。
この記事の内容
- 独身者はどのような負担が増えやすいか
- 独身医局員のよくある悩み
- 医局の方針のチェック方法
- そんな医局のメリット
- デメリットが大きい場合の考え方
では、いきましょう。
独身医師に厳しくなりがちな背景
医局というと、医局員の事情に配慮せず、どんどん異動をさせるというイメージがあるかもしれません。
しかしそれは昔の話。現在は、個々の事情に合わせた采配をする医局のほうがむしろ多くなっていると感じます。特に「家庭の事情」は、配慮されやすいです。
そうすることが、医局を辞める医師の割合を下げることにも繋がります。これは社会全体の流れでもあり、いい傾向であることは間違いありません。
ただ現実問題として、医局がしなければならないトータルの仕事量が、昔と比べて減ったわけではありません。
これまでと同様に僻地にも関連病院はありますし、急な欠員を放っておくわけにはいきません。労働力が不足している現場もあります。
こうして個々の事情に配慮した結果、「事情のない」医局員に従来以上の負担がかかりやすいのが現状です。
具体的に増える負担
人事や仕事量
最も影響が大きいのが人事(異動)や、そうして就いた職場での仕事量です。
「希望を聞いて人事を決める」と謳っている医局は多いです。ただ医局員が希望する条件は、多くの場合みな共通です。具体的には下記の通りです。
・便利な土地:生活、交通、子供教育など
・給料がいい
・症例が豊富
・人員が充実している
・程々の労働時間
・一つの場所で長く働く
独身の医局員にはどうしても急な異動、大学病院など過重労働になりやすい病院、希望と異なる土地の病院が割られやすいです。

また同じ職場でも当直の有無や時短勤務、日々の業務量の差がトラブルのもとになることもあるようです。
給料
関連病院によって給料水準は様々で、いくつかは給料が安い病院が混在しています。
家庭を持っている医師は、必要となるお金も多くなるため、こういった給料の安い病院には独身の医師が割り当てられやすい場合もあるようです。
雑用
大学や大学病院で働いていると、雑用と分類される仕事が多くあります。雑用の一例を下記にまとめました。
交流会の参加/セッティング
・定期的な飲み会
・同門会
・学外の医師の接待
・学生/研修医の勧誘
学生、研修医の指導
・プリント配り
・出席確認
・物品の準備
・授業/実習指導
学会、勉強会の主催
公式な仕事は、公平に割り当てられやすい印象です。
ただ学生の勧誘や学外医師の接待の準備など「名前のないちょっとした雑用」を頼まれやすいのが、独身のつらいところです。
不公平感を表に出しにくい
こういった待遇の差に対して、不公平を表に出しにくいです。
「個々の家庭の事情に配慮した采配」をするのは、ある意味では良い医局でもあります。
これに強く反対をすることで、「冷たい人間」のようなレッテルを貼られる場合もあります。自分でそのように感じてしまう場合もあるでしょう。
またこういった医局は「満足している医局員の割合が高い」「医局員が辞めにくい」という傾向があるため、少数派になりがちです。
医局の方針のチェック方法
どの程度家庭の事情に配慮するかといった、医局の方針を入局前に知る方法はあります。入局前の方は参考にしてください。
医局員がどのように配置しているかを確認すれば、それは大まかに分かります。
医局に足を運ぶと、たいてい壁に関連病院とそこで働いている医師の一覧が掲示されています。医局のホームページに載っている場合もあります。
おおまかなプロフォールや経歴(どの程度の頻度で異動をしているか)も、場合によっては病院のホームページで分かります。
辺鄙な場所の病院や大学病院にどういった人員が配置されているか、多く異動しているのはどんな医局員かをチェックしてみてください。
同門会に参加してみる、あるいは医局員にそれとなく聞いてみるだけでも、かなり情報は集まります。


メリットと表裏一体ではある
「家庭の事情に配慮する医局」には、当然メリットもあります。
自らが家庭を持った時や何らかの事情を抱えた時、それに配慮される可能性が高いです。
生涯に渡ってみた時に、メリットが上回るかどうかで判断するという視点も必要です。
デメリットが大きいと感じたら
医局の基本方針と自分の状況を照らし合わせて、デメリットが上回ると感じたら医局を離れるのも一つの選択肢です。
転職は大きな変化であり、ある程度のリスクを伴います。年齢が上がったり、家庭を持った後であれば、変化やリスクを取りにくくなります。
これまで他人の負担も背負っていたならば、環境を変えることで労働条件が劇的に改善するかもしれません。

まとめ
医局と独身医師というテーマで、解説しました。
ポイント
- 事情のない医局員は人事や仕事、雑用など負担が重くなる場合がある
- 不公平感を表に出しにくい
- 医局員の配置をみれば、大まかな方針はつかめる
- 事情に配慮する医局には、メリットもデメリットもある
- デメリットが大きい場合は、離れるのも選択肢
何が正解か答えが出ないなかで、とりあえず自分が生きやすい環境を選ぶというのは自然なことです。



雑談はさておき、今回は以上です。
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