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転職 医局に入った後

【医師転職】転職すべき医局/職場の特徴5選【客観的判断基準】

2021年8月23日

転職すべき職場の特徴

 

今の医局を離れて転職したいと考えていますが、この判断が正しいのか…外に今よりもいい環境があるのかわかりません。

今回は、こんな悩みについてです。

この記事を書いている僕は元医局員で、退局、転職を経て、現在に至ります

 

・現在の職場が悪いのか
・自分が贅沢なだけで、外の職場も同様なのか

いざ転職を前にすると、こういったことを迷うのではないでしょうか。

 

実際、転職ブログなどの情報発信をみていると、

・疲れた→辞めましょう。
・上司と合わない→辞めましょう。
・やりたいことと違う→辞めましょう。

という乱暴な論調も、時にみられます。

特に「医局=労働環境がイマイチ=辞めると幸せになれる」という意見も多いです。

でも、「全部が辞めるべき職場ではない」のも事実です。

そこで今回は、「こんな医局/職場からは、客観的にみても転職したほうが良いのでは?」という判断基準の例をお示しできたらと思います。

では、行きましょう!

 

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① まともな人が辞めていく

 

同じ環境にいる他人、特に「まとも」と思える人の判断は、客観的に職場をとらえるための良い基準になります。

人格的に素晴らしく仕事もできる人が、短期間のうちに複数人辞めたならば、そこを離れた方が良いかもしれません。

ここで重要なのは、「その人達が辞めた理由」はあまり関係ないということです。

きちんとした準備をする人ほど、周囲に理解されやすい理由を用意し、「本当は辞めたくないけど、仕方なく」という体裁を整えて転職していきます。

 

理解されやすい理由
医局を辞める理由。よくある12個と「うまい」伝え方
「仕方なく」でも、複数人続けば考慮すべき状況です。

 

② 健康面が問題になる

 

現在の職場で働き続けた場合に、健康を害する可能性があるのであれば、それは転職をする十分な理由になります。

労働時間や人間関係、労働環境などが、健康に関わる要因となります。

例えば労働時間であれば、一般的に月250時間(時間外労働が月80時間)を超えると、過労死を招くリスクがあると言われています。250時間/月は約58時間/週です。

そして、常勤勤務医の勤務実態がこちらです。

画像引用元:第9回 医師の働き方改革の推進に関する検討会 参考資料3

勤務医全体の37.8 %、大学病院勤務医の47.1 %が、60時間/週を超えていることになります。

医師の労働条件は業界全体として厳しく、「転職をすれば必ず良好な労働環境が手に入る」というわけではありません。

ただ先程のグラフで言うと、医師全体の労働時間の中央値は50-60時間の間なので、この程度であれば十分期待できるでしょう。

少なくとも過労死ラインを超えて働いている場合、転職を考えるのはごく自然な感情です。

 

ポイント

体調を崩してみせる必要はありません。

辞める理由として提示するために、体調を崩すまで働くことはありません。「体調を崩すかも」と感じた時点で、労働環境の改善を考えましょう。

転職活動をするにも、気力、体力が必要です。

 

③ 今いる組織のために働きたくない

 

あなたは、なんのために働いていますか?

社会人としては「自分のため」あるいは「家族のため」ですね。医師としては「患者さんのため」というのもあるでしょうか。

ただ組織に属している以上、「職場のため、医局のため」という側面は必ず残ります

どんな組織であっても、個人が挙げた成果から、まず組織が利益をとり、残りが個人に還元されるからです。「自分が働くと、組織が潤う」という事実からは逃れられません。

そして前向きな気持で働くためには、組織に対して好意的、あるいは少なくともフラットな気持ちでいる必要があります

「組織のことが嫌い」「トップのことが嫌い」では、なかなか長期間続けることが難しいです。

人間には、どうしても感情があります。

 

④ 外と比べて30 %以上待遇が悪い

 

医局外と比べて30 %以上、労働条件が悪い、負担が大きい場合は客観的にみて転職する理由になります。

例えば下記のような負担です。

・年収、労働時間、(時給)
・医局費、同門会費、寄付金
・異動の金銭的、物理的、精神的負担
・希望とは違う仕事をすること(雑用を含む)

医師に限らず、人は他の職場と比べて30 %以上労働条件が低いと、そこを離れる傾向にあるそうです。

一度ご自身の市場価格(金銭面以外も含めて)を、確かめてみてはいかがでしょうか。

 

30 %の根拠
人が去る医局の問題点
人が去る医局の問題点とは。鍵は「30 %」という数字

 

⑤ 長期でみて不公平感がある

 

組織運営、特に医局運営の鉄則として、「離職者を減らすために、長期でみたら平等になるような人事をする」ということがあります。

さまざまなインタビュー記事で、教授や医局長の方がこのように話されています。

つまり不平等な状況が長期間続くということは、それだけで人が離れていく理由になるということです。

これに対して「他人との比較ではなく、絶対評価で自分が納得できる労働条件ならば良いだろう」という意見もあります。

ただ、あからさまな待遇の差を前にすると、感情面でどうしても難しい面があります。

特に先輩の世代をみて「待遇の差がずっと続きそうだ」と感じてしまうと、厳しいです。

 

「とにかく辞めたい」も十分な理由

 

ここまで、客観的にみて転職してもいいといえる医局の特徴をみてきました。

ただどれも満たさなかったからといって、「辞めるべきではない」というわけではありません。「自分が」「明確に」辞めたいと思えばそれは十分辞める理由になります。

 

すぐに辞めないほうが良いかもしれない状況

 

反対に、もう少し今の職場に留まったほうが良いと思われる状況は、下記の2つです。

 

もう少しで得られるものがある

専門医資格や博士号、あるいは技術の習得など、もう少し続ければ形になるものがある状況であれば、すぐに辞めるのはもったいないです。

体調を崩す可能性がない限りは、今取り組んでいることが一段落するまで継続したほうがいいかもしれません。

転職活動をしてみて感じますが、資格や実績は重要です。
大きな組織を離れた時、持っている技術というのは、自分を守ってくれる重要なものです。

 

体に大きな異常がみつかる

医局を含めて大きな組織に所属するメリットとして、「困ったときに助けてもらいやすい」というものがあります。

例えば、病気をしたときに代理を立ててもらえたり、常勤で働くのが難しいとき、非常勤先を斡旋してもらえたりします。

大きな組織を離れる場合には、一度体に大きな異常がないか調べる、悪い所があればまず治療することをおすすめします。

場合によっては、転職を先に伸ばした方が良いかもしれません。

 

転職前の準備
医師の転職準備
医局を辞めたいと思ったら 医師の転職準備9選

 

自分の市場価値を知ることが第一歩

 

「転職するかしないか」という悩みには、なかなか答えがでません。漠然としたもの同士を比べてしまっているからです。

自分の市場価値を知り、

転職しない場合の生活転職した場合の生活

具体的に比べることが、悩みに答えを出す第一歩になります。

 

まとめ

客観的にみて、転職を考えてもおかしくないような、医局/職場の特徴をみてきました。

5つの判断基準

  • まともな人が辞めていく
  • 健康面が問題になる
  • 組織のために働きたくない
  • 外と比べて30 %以上損している
  • 長期でみて不公平感がある

さて、今回は以上です。

この記事が、進路について迷っている人の参考になれば幸いです。

 

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