働き方/その他

医師が搾取から抜け出すための5STEP【やりがい搾取ならいいが】

2021年10月23日

 

毎日仕事が終わるのは、日付が変わってから…明日は当直。なんだか搾取されているように感じるのですが、どうにかならないでしょうか。

今回のテーマは「医師が搾取から抜け出すための方法、考え方」です。

 

医師の労働環境って、楽ではないですよね。

常にオンコール対応をしなければならなかったり、当直明けでも通常の勤務をしないといけなかったり、頻繁に異動があったり…

こんなの搾取だ!と叫びたくなる人も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、ホワイト病院に転職をしてのんびり働いている医師が

医師としての仕事の枠内で実行でき、搾取されにくくなる考え方

を解説します。

※節税や投資、副業、起業など、医師の仕事以外の話は今回除外します。

 

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平均的な待遇を知る

 

最も重要なことは、「医師の中でも、特に搾取されている医師」にならないことです。このためには、まず一般的な医師の労働条件を知る必要があります。

金銭面、勤務時間からみた医師の平均的な労働条件は下記のとおりです。

 

給料

引用元:民間医局コネクト【特集】医師×年収

 

勤務時間

画像引用元:第9回 医師の働き方改革の推進に関する検討会 参考資料3

平均値、中央値程度であれば、十分期待できるわけです。

もしこれを大きく下回っていたら、搾取といえる状況かもしれません。現状を把握するというのが第一歩です。

 

「大学だから仕方ない」?

「大学病院はある程度、過酷な労働環境であっても仕方がない」という風潮があります。

ただ一口に大学病院といっても、その労働条件は様々です。

 

勤務時間

例えば上記のデータによると、大学病院医師の労働時間の中央値は50-60時間の間に収まります。

注目すべき点として、年々、勤務時間が削減される方向に進んでいることが挙げられます。

画像引用元:第9回 医師の働き方改革の推進に関する検討会 参考資料3

大学病院に限定しても、3年の間に、週に4時間=半日分くらいの勤務が削減できているのが普通というわけです。

そんな全体としての流れの中で、現在の所属先が「何も変わっていない」ならば、将来への希望が持ちにくいかもしれません。

 

アルバイトの頻度

大学病院医師は複数の職場を兼任しているなどの理由から、年齢ごとの正確な給料を把握するのは難しいです。

転職サイトなどの統計で「大学病院医師の年収」が発表されてはいますが、転職を考える=若い医師の占める割合が多いのでは?と個人的には考えています。

ただ大学病院医師の収入の大きな柱である、アルバイトの回数については、はっきりしたデータがあります。

週二回のアルバイトができているならば中央値それ未満であれば収入がかなり少ない可能性があります

もちろん一回でいくら貰えるか、という要素も関係してきますが。

このように、「本来自分はどのくらいの労働条件が期待できるのか」を知ることが、搾取を抜け出す第一歩になります。

 

STEP 1

自身の労働環境が、一般的かどうか知る。

 

やりがい搾取ならOK。ただ…

 

とにかくお金!仕事は少ないほうが良い!

と言うつもりは全くありません。仕事にやりがいは必要です。

「やりがい」搾取ならば、つまり「やりたい仕事のために、希望して」待遇を下げているならば、それは構わないと思うのです。

アスリートが、優勝するために相場より安い給料で強いチームに移籍する、というのはよくある話です。

 

重要なのは「本当に、そこにやりがいがあるのか」です。

というのも僕が大学で働いていた頃、医局内の同僚の7-8割くらいは「さっさと関連病院に出たい…」と呟いていました(僕もその一人)。

そんな光景をみて、

これって「やりがい搾取」ではなく、「ただの搾取」なのでは?

と思ったのをよく覚えています。

・夜中に、暗~い顔で雑用をしていませんか?
・無給で働いている大学院生は、それでもその研究がしたいですか?

というわけでSTEP 2です。

 

STEP 2

「対価を支払うだけのやりがいがあるのか」を考える。

 

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評価をされる努力をする

 

きちんと評価されるため、そして自分がなりたい姿に近づくための「正しい努力」も必要です。

 

評価される人材になる努力

漠然と努力をして、できることが増えていっても、それが周囲から評価されるものでなければ、待遇の改善には繋がりにくいです。

例えば医局においては、やはり論文を書いたり、学会や勉強会で講演をしたりという実績が評価されます。こうなると大学で出世したり、人事で望むポストを得やすくなります。

医局外、つまり転職をするときにも、転職しやすくなるような資格・肩書・専門領域とそうでないものがあります。

自分が望む労働環境から逆算して、そこで必要とされる人材となっていくのが待遇改善への近道です。

例えば、将来的に転職を考えているなら早いうちからエージェントにキャリア相談をすることで、「自分がこれから習得するべきこと」を知ることに繋がります。

 

詳しくはこちら
転職エージェントへのキャリア相談がおすすめ。研修医・専攻医もOK。

 

待遇を改善するための努力

どれだけ成長するための努力を続けても、黙っていたら、なかなか労働環境は良くなっていきません。

いつか、良い人事が回ってこないかな...

と言いつつ、過酷な環境で働き続ける医師を多くみてきました。

というよりもむしろ医師の世界では、黙って仕事をこなせてしまう人のところには、どんどん仕事が集まっていく傾向にあります。

結局のところ、

・自分を高める努力
・自分を高く売りこむ努力

この2つは両輪で、どちらが欠けても、いい方向には進んでいけません。

(常識の範囲内で、ある程度は)扱われ方について交渉したり、いざとなったら別の環境を検討したりといったことは必要な努力です。

 

STEP 3

自分のなりたい姿を想像し、そこを目指して進む。

 

Noを言えるようにする

 

自分の価値を下げないために

自分の価値=受け取るべき待遇を自分で線引きし、それよりも不当に低い労働条件で働くことは「拒否する」。突き詰めると、これをしないことには、自身の価値を保つことができません。

どれだけ素晴らしい仕事をし、「正当に評価をしてほしい」と声を上げたところで、結局低い労働条件で仕事を引き受けてしまったら、それがあなたの価値になります

 

・不当、不公平な仕事の割り振りを拒否して、時間を作る
・認められないようであれば、その組織を離れる

こんな選択肢は、持っておいたほうが良いでしょう。

 

いつも拒否ばかりをして、権利を振りかざすというわけではありません。あくまでも「自分が正当だと思う待遇を、下回ったときには」です。

 

「外」にも候補を持つ

いざというとき自分を雇ってくれるのが、今いる組織のたった1つしかなかったら待遇の改善は期待しにくいです。どうしても組織には浮き沈みがありますし、常に適切な評価をしてもらえるわけではありません。

他の医局や病院とも交流をもっておく、非常勤などで一緒に仕事をする。こういったことは意味のあることだと思います。

あるいはエージェントから自分の市場価値を聞いておくというのも、おすすめです。

心の余裕にも繋がりますよ。

 

土地にこだわると厳しい

逆に「どうしてもこの土地で仕事がしたい!」というこだわりを持ってしまうと、搾取に繋がりやすいです。

家を買ってしまったり...

 

医師免許や専門医資格の最大の強みは、日本全国で仕事を得られることにあります。

好条件を追い求めて、各地を転々とする生活が幸せだとは思いませんが、「働いてもいいと思える地域」を広くもっておくと、

・医局の言いなりになりにくい。
・良い待遇を得やすくなる。

というメリットがあります。

 

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STEP 4

「いざとなったら拒否する」という選択肢をもつ。

 

幸せを先延ばしにしすぎない

 

「今」も大事

医師のなかには、「将来のために今は我慢する」という選択を、毎回のようにしてしまう人が多いのではないでしょうか

僕もそうです…

 

医学部に入る・卒業する、医師免許を取る、専門医資格を取るといった関門を突破していくためには、常に先のことを考えて、行動を積み上げる必要があります。

日々の仕事についても同様で、「そのうちやろう」では、手遅れになってしまう可能性があります。

 

こうして、「今」を楽しむ。「今」心地いい環境に行くという選択をすることに、不安を感じるようになってしまうんですよね。

そしてどうしても、「修行期間」や「自然と学べるような環境」は、労働条件が低く設定されており、どうしても搾取に繋がりやすいです。

確かに下積み期間は重要だと思います。この期間に、医師として生きていくための礎ができたのは確実です。

 

ただそれを、「いつまでやるか?」という話です。
いつかは努力した分を回収し、様々な意味でゆとりをもって暮らしたいと考える人も多いのではないでしょうか。

 

どれだけ最先端の環境にいたところで、結局そこを離れてしまえば、使わなくなった技術は劣化しますし、情報は古いものになっていきます。

それよりも、いろいろなところに頼れる人はいるので、「その場その時に必要となったものを吸収する姿勢」を持っていることが重要だと思います。

 

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人事は基本、その場しのぎ

「ゆくゆくは良いポストにつけてやるから、今は…」

こんなことを言われて、頑張っている医局員もおられると思います。

ただ多くの医局では、人事は「毎年、とりあえず穴を埋めてしのぐもの」となっていて、中長期的な辻褄はあまり考慮されていません

規模の小さい医局は特に。

 

約束をしてくれた教授や医局長も、時間が経てば顔ぶれが変わっていきます。

みんなで支えている「働かないおじさん」や「ゆるふわ医師」が、バリバリ働いてくれる日は、おそらく来ないでしょう。

人事の「ゆくゆくは」を信じて、短期的な搾取を受け入れることは、おすすめできません。

 

STEP 5

短期目線でも、幸せに生きることを目指す。

 

まとめ

医師が搾取されないための、5つのSTEPを解説しました。

5つのSTEP

  • 自身の労働環境が、一般的かどうか知る。
  • 「対価を支払うだけのやりがいがあるのか」を考える。
  • 自分のなりたい姿を想像し、そこを目指して進む。
  • 「いざとなったら拒否する」という選択肢をもつ。
  • 短期目線でも、幸せに生きることを目指す。

どれも過去の自分、あるいは過酷な環境で働いている元同僚に対して思うことです。

とはいえ元同僚は愚痴を言いながらも、実は現状が幸せで、大きなお世話なのかもしれません…

もし「搾取されている」「本気で現状を変えたい」と思っているのであれば、参考にしていただけたらと思います。

今回は以上です。

 

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