こんにちは、コアライ ミナトです。自身の経験を元に、医師の転職や医局についてのブログを書いています。
今回は、医師転職エージェントの【エムスリーキャリアエージェント】に取材をさせていただきました。
エムスリーキャリアエージェントは、「医師転職といえばエムスリー」と言われるほどの超大手のエージェントで、僕自身が転職活動中にお世話になった会社でもあります。
「コンサルタントはどんな人?」などサービスについてはもちろん、「転職という視点からみた専門医資格の価値は?」など転職の疑問を、ここぞとばかりにぶつけてみました。
では、いきましょう!
エムスリーキャリアエージェントについて
利用者数
Q. どのくらいの医師が、「エムスリーキャリアエージェント」を利用されているのでしょうか?
A. 年間登録数 3万人以上、累計登録数 20万人以上となっています。
強み
Q. 「エムスリーキャリアエージェント」の、他にはない強み、特に力を入れているポイントなどを教えて下さい。
A. 9年連続NO.1の転職希望医師登録数を活かし、圧倒的な紹介実績がある点が強みです。豊富な紹介実績があるため、求人票だけでは分からない医療機関の雰囲気など、詳しい情報も医師へご案内可能です。
評判・口コミ
30代 男性 一般内科
病院の雰囲気、実際に働いている先生の働き方、夜間や週末のオンコール対応などについても具体的に教えて頂き、医師のQOLを大切にしている病院だということがよく理解できました。 現在の職場は、休みの日もオンコール対応や呼び出しが多く、落ち着いて家族と旅行に行く時間もありませんでした。病院周辺の住環境、教育環境、交通の便などについても、情報収集をしてくれて、色々と教えてくれたので、転居を考える上でも大変参考になりました。
引用元:エムスリーキャリア 転職成功事例集
コンサルタント【重要!】
Q. コンサルタント(担当者)について教えて下さい。どんな方がされているのでしょうか?
A. 約90名の常勤担当コンサルタントが在籍しており、1年目~10年を超えるベテランまで様々です。看護師など医療業界出身者だけでなく、様々な経歴を持ったコンサルタントが在籍しています。
Q. コンサルタントは全員、医療経営士の資格を持っているそうですね。
A. 医療・医療経営に関する基本的な知識や医療行政などについて学ぶ事で、医師・医療機関とスムーズなコミュニケーションが取れるようにしています。
さらに医師のキャリアプラン、診療科の知識など、未経験でも業務が行えるよう研修に注力しており、社内テストに合格したコンサルタントだけが医師の対応を行います。
Q. 医療経営士の資格って受験料や維持費が、結構高いんですよね。その費用って、どうしているのですか?
A. 資格の受験料・維持費は会社で負担しています。
コメント
転職活動を成功させる上で、コンサルタントの質は本当に重要です。
提案のされ方やアドバイスによって、「病院に対する印象」や「転職をするかの判断」は大きく変わります。また病院とのやり取りを代行してもらうわけなので、いい加減な人では困ってしまいますよね。
僕自身が転職活動をした感想として、エムスリーキャリアエージェントはコンサルタントの質が非常に高いです。
単なる個人の感想と言うわけではなく...
・全員が医療経営士の資格を取得している。
・会社が資格維持の費用を、全額負担している。
・社内テストを実施している。
という点から、「人材に対する強いこだわり」を感じますよね。
評判・口コミ
40代 男性 整形外科
面接日程の調整、条件交渉なども全てお任せし、本当にスムースに次の職場が見つかりました。少し焦っていたこともあり、素早い対応で話がまとまったことに感謝しております。本当にありがとうございました。
引用元:エムスリーキャリア 転職成功事例集
対応エリア
Q. 特に力を入れている地域など、ありますでしょうか?
A. 日本全国です。各地に支社があるわけではありませんが、必要に応じて北海道から沖縄まで出張しています。
医師不足の地方は他社では対応できない事もあるため、当社の集客力が喜ばれる事が多いです。
潜在的ニーズ
Q. 医師の登録があると、求人が出ていない病院にも問い合わせをすることがあるとか。これについて教えていただけますか?
A. 医師は個人によって出来ること・やりたいことが大きく異なるため、そのニーズが叶えられそうな医療機関に相談して、採用枠を作る事は珍しくありません。
相談時は個人が特定されないよう、出身校や年齢など抽象化しているのでご安心ください。
コメント
表立って求人が出ていない病院に問い合わせて、「枠を作る」というのはすごいですよね。
エムスリーキャリアエージェントが保有している常勤の求人枠は、約13600件(執筆時)とされています。ただ「新たに枠を作る営業力」によって、数字以上に多くの求人を持っているというイメージです。
評判・口コミ
30代 男性 消化器内科
大学医局に所属していたが、当直や呼び出しが多く、家族と過ごす時間を確保したいと相談をした。当直・オンコールは避けたい。しかし年収は維持したい。と正直に希望を伝えたところ、その通りの求人を紹介してくれた。話を聞いたところ、もともと募集が出ていたのではなく、自分のスキルを活かせる病院に掛け合って採用枠を作ってくれたのだと知って驚いた。
引用元:エムスリーキャリア 転職成功事例集
医療機関との交渉
Q. 条件交渉など、医師が気づかないところで、どんなふうに動いてくださっているのでしょう?
A. 医師の希望する勤務内容・条件を実現するため、医師の実績やキャラクターを基に医療機関にアピールを行い交渉いたします。医療機関への交渉に際してはDPCデータなどの公的情報や同じ医療圏での求人動向 なども調査し、医師の必要性をデータで明示することで交渉がスムーズに進むようにしております。
Q. エージェントを通したほうが、内定が出やすい(「面接に行ったのに断られる」という状況が少ない)という噂を聞いたことがあります。何か工夫をされているのですか?
A. 前述のとおり、医師のニーズを喚起してオファーをご案内しているため、求人票の内容だけで応募するより内定が出る可能性は高いと思います。
また医療機関からオファーをいただいても、医師のニーズに合致していないと判断した場合はご案内を控えるなど、スクリーニングの影響もあるかと思います。
キャリア相談
Q. エムスリーキャリアエージェントでは転職を決心した場合だけではなく、中長期的な目線でみた「キャリア相談」も可能ですか?
A. もちろん可能です。弊社にご登録頂いている先生方を見ますと、研修医の先生から第一線を退きたいとご転職先を探される先生まで、実に幅広いご年齢・立場の方からご相談を頂いております。
これまで様々な医師のキャリアをサポートしてきた実績から、先生方の考えられているご転職先とは異なる医療機関やキャリアプランをご提示させて頂く場合も少なくありません。
コメント
医師ではまだまだ少数だと思いますが、サラリーマンやエンジニアの世界では、
というアドバイスをコンサルタントからもらい、そこから逆算してキャリア設計をする人も多いそうです。せっかく努力をするからには、「待遇が良くなるスキル・資格」を手に入れたいですよね。
「転職はまだ…」という方も、コンサルタントと関わりを持っておくと、進路を考えるうえで役に立つかもしれません。
利用できる医師歴
Q. 医師歴何年目くらいから、利用をさせて頂けますでしょうか?
A. ご登録をいただく中で最も多いのは30代半ば~50代の先生方ですが年々、初期・後期研修中の先生からご相談をいただく事も多くなっています。
医局へ直接紹介する事は難しいですが、ご希望を伺う中で弊社のような紹介会社ではなく入局をお勧めする事もございます。研修医の方々は他の医師のキャリアや転職市場についてご存じない事も多いので年次に関係なくご相談いただけると幸いです。
コメント
転職活動期間中に感じたのですが、大手の転職エージェントは様々な情報(裏事情)を持っています。
こういった情報は、進路を決める参考になるかもしれません。
エムスリーキャリアエージェントの利用方法
まずは、ホームページから登録します。
・常勤か非常勤か
・転職希望時期
・専門科目
・希望勤務地
・氏名
・電話番号
・メールアドレス
・医師免許取得年
・その他、希望など
を選択・記入します。
画像引用元:エムスリーキャリアエージェント公式ページ
医師転職全般について
転職しやすい科
Q. 求人数が多い科と少ない科があると思うのですが、何科医が転職しやすいでしょうか?
A. 救急や総合診療科のように、広い守備範囲の診療科はニーズが高いです。
国の方針としても今後プライマリ・ケアが重視されるので、以前の様に臓器別で高い専門性を磨くよりも、色々な疾患のファーストタッチが出来て急性期病院に紹介できるスキルは転職に困らないと思います。同じ様な理由で訪問診療の経験者もニーズが高いです。
専門医資格の価値
Q. 専門医資格は、常勤医の転職において、どのくらい重要でしょうか?
A. 専門医資格は、もちろん転職でプラスになる事はありますが、持っていない事でマイナスに働く影響の方が大きいです。募集段階で専門医資格を要件にしている医療機関は多くありませんが、書類選考の時点で専門医資格が無いことで落とされる事があります。
専門医維持にはコストも掛かるので、最低限基本領域の専門医だけは維持しておけば転職において不利になる事はないと思います。
コメント
専門医資格の取得・維持には大きなコストがかかるため、「全員が持っておくべき」とは思いません。ただ、持っているかどうかで違いが出るのもまた事実。こういった情報は、進路を決める際に、かなり参考になりますよね。
「基本領域の専門医だけは維持しておけば、転職において不利になる事はなさそう」って、めちゃくちゃ重要な情報ではないでしょうか。
感染拡大の影響
Q. 昨今の感染拡大によって、医師の転職市場にどんな変化があったのでしょうか?
A. 都市部の急性期病院を中心に、病棟を空けるなどの影響で医師が余るようになり採用ハードルが高まりました。現在も昨年ほどではありませんが、当直必須や年齢制限を設けるなど以前にはなかった応募要件が発生しています。
求人数自体は大きく変わっていませんが、前述のように採用ハードルが上がった影響で、急性期病院の応募できる先は減っています。
待遇面に大きな変化ございませんが、小児科や耳鼻咽喉科など外来中心の診療科は患者数減少に伴い以前よりも少し下がっています。
面会制限などから自宅での看取りを希望する患者が増えた事で、訪問診療のニーズは高まっています。またご家族が感染リスクの高い職場を反対して、自由診療を選択する医師も増えています。小児科や耳鼻咽喉科など外来中心の診療科は、ニーズが少なくなっています。
大量離職の影響
Q. 最近、「待遇の悪化した病院から、医師が大量離職した」という話を聞くことが増えたように思います。こういった状況になった場合、転職市場に影響がありますか?
A. 同じ病院や医局の医師からまとまって相談をいただく事もございます。
エリアによりますが、医療機関が少ない地方では少なからず影響がございます。ご希望のエリアで希望の求人が見つからない場合には、エリア外も含めてご提案を差し上げています。
個人情報保護の観点から他医師からも相談を受けている事はお伝えできませんが、社内では情報共有しているので、市場感をお伝えする事は可能です。
コメント
大学病院からの大量離職がニュースになったとき、「転職活動、かなり大変なんじゃないかな....」と感じた覚えがあります。
医師免許さえあれば「どこかには」求人はあるのですが、やっぱり皆が働きたいような病院は競合し、すぐにポストが埋まってしまうんですよね。
転職活動は、スピードと情報が命。こんな事態に備えるという意味でも、コンサルタントと関わっておくことは、メリットが大きいと思います。
転職失敗
Q. 一般的に、どのくらいの転職回数からマイナスのイメージを持たれるのでしょうか?
A. 医師の年齢や転職理由にもよるので一概には言えませんが、1~2年での転職が続いていると、自施設でも早期退職されるのではないかと懸念を持たれる事が多いです。
Q. 長く働ける職場を一回の転職でみつけられる医師と、職場を転々としてしまう医師で、違いや傾向はありますか?
A. 入職前に「何を実現したくて転職するか」が明確な医師は早期退職になりにくい印象です。また、入職後に何を期待されているかをしっかり把握して勤務のイメージを持つ事も重要です。求人票だけではそのイメージが持ちにくいかと思うので、コンサルタントを活用いただきたいです。
一人では決められない事も多いのでご家族などとも相談いただけると良いかと思います。
トレンド
Q. その他、ここ最近の医師転職市場のトレンドなどはありますか?
A. 最近は医局に所属しない若手医師や企業など臨床から離れた環境で勤務される医師も増えてきて、医師のキャリアも多様になってきました。
今後は働き方改革の影響でさらに医師のキャリアも変わっていくと思います。
まとめ
Q. 最後に、転職を考えている・迷っている医師の方に、一言お願いいたします。
A. 転職前提ではなく情報提供だけでもお役に立てればと考えていますので、まずはお気軽にご相談いただけると嬉しいです。コンサルタントの面談を通して、自分では気づけなかった可能性やキャリアに触れる事もございます。
医師に限らず、転職が当たり前になっている時代だからこそ、一人で悩まず専門職の意見も聞きながらご自身に本当に合った選択をしていただきたいと考えています。
取材をしてみて感じた【エムスリーキャリアエージェントの強み】は、下の2点です。
・会社全体として、コンサルタントの質が高い。
・「新たな求人枠を作る」など、医療機関との交渉力が高い。
・転職を考えている方
・エムスリーキャリアエージェントに興味を持たれた方
・その他、記事内容に関するご質問など
は、こちらからどうぞ。
今回は以上です。この記事が参考になりましたら、幸いです。