今回はこんな悩みについてです。
この記事の内容
- 合わない上司 4タイプ
- 合わないときの対処法【深刻度別】
- 転職するかのどうかの判断基準
この記事を書いている僕は、医師歴が約10年。その間、様々な指導医の下で仕事をしてきました。
さらに僕自身も、最近では後輩を指導する機会も増えてきました。いい関係を築けたこともありますし、後悔が残ったこともあります。
そんな経験をもとに、「指導医と合わないときの対処法・考え方」について解説します。
合わない指導医4タイプ
余裕がない
指導医自身に、余裕がないタイプです。
日常業務で手一杯となっており、放置してしまうというのもよくみかけます。指導医になっていく過程で多くの医師が通る道で、本人も引け目を感じていたりします。
うまく手伝えたり、フォローができるようになると感謝され、関係が良好になるかもしれません。
厳しい・ストイック
自分にも他人にも厳しい、厳しすぎるタイプの指導医です。周囲からは尊敬されており、部署として成果を上げていることも多いです。
部下としては「ついていけない自分」を責めてしまいがちです。
どれだけ厳しいかという程度にもよりますが、努力をすれば認めてもらえたり、修業期間=期間限定と割り切って頑張れば成長につながったり、といったメリットもあります。
他人と関わりたくない
他人から干渉されたくない、他人に干渉したくないという指導医です。
「それぞれが自己責任で、業務や成長をしていくべき」という考えで、指導が少なかったり、解決法の提案がもらえなかったりという欠点があります。
一方で、自力で成長できる、日々の業務で責任を果たせるようになると、干渉はされにくいというメリットもあります。
誰とも合わせられない
・攻撃的
・コミュニケーションが取れない
・自分勝手
など、明らかに人間性に問題があって、多くのスタッフとうまくやれない指導医です。
より上の立場の人にペコペコしたり、お気に入りの部下にだけマイルドになる指導医も、このタイプに含めます。
できる対策は少ないですが、「問題のある医師だ」と周囲も認識していて、味方が増えやすいという面もあります。また問題を起こしたり排除されたりして、すぐに去っていく傾向にあるというのも、このタイプの特徴です。
【+α】相性が悪い
人間にはどうしても相性があって、
・悪い指導医ではない
・悪い部下でもない
にもかかわらず、どうもうまく行かないということも、時折起こります。
対処法・考え方
自分で解決をする
合わない指導医に当たったとき、深刻度が高くないならば、まずは自力の解決を試みるというのが第一歩です。具体的には、下記の通り。
対処①:努力し、成長する
医師として知識や技術を高め、「一人でできることを増やしていく」というのは、最も基本的な解決策です。
どのタイプの指導医にも「成長を認めてもらう」というのは有効ですし、自立することで指導医への依存を減らすことができます。
相手がどんなに良い指導医であっても、助けてもらいながら・責任をとってもらいながら仕事をするというのは、窮屈ですよね。
対処②:交流をする
きちんと挨拶をする、世間話をする、食事会などで交流をするというのは、人間関係の築く上で重要です。
「余裕がない」「厳しい」タイプの指導医には、特に意味のある方法です。
日頃の感謝を伝えたり、有給のあとに手土産を渡したりするだけでも、かなり良いと思いますよ。
対処③:割り切る
「合わない指導医なんて、いて当たり前」と割り切るというのも必要です(きっと誰もがしていることだと思います)。
自分を責めすぎない、嫌われていると思わないというのがポイントです。
指導医によってやり方を変えるというのは、自分で責任がとれない期間には、避けられないことです。いろいろなやり方を試して、その結果がみられる「貴重な経験」と割り切りましょう。
周囲に協力を求める
自分ひとりの力では解決できない、あるいはそれなりに深刻な状況ということ、次は周囲の力を借りることになります。
対処④:味方を作る
同世代~少し上の先輩に味方になってもらい、助言を求めたり、揉めそうな時にフォローをしてもらったり、といった方法です。
・あの指導医は、ああいう人だから仕方がない
・君も指導医も悪くないけど、なんか相性が悪いよね
・こういう接し方をするとうまくいくよ
このような客観的な視点を教えてもらうだけでも、気分が軽くなることもあるでしょう。
対処⑤:更に上の医師に相談する
合わない指導医の更に上の医師(部長や教授、院長)に、対応をお願いするという方法です。
ここからは事態を「正式に」「問題に」して、組織レベルで解決していく段階に入ります。
・こんな言動に困っている
・こんな影響が出ている
・こうしてほしい
など、具体的に伝えるのがポイントです。
「問題のある医師」については周囲も認識していて、意外とすんなり改善することも多いです。
対処⑥:専門の部署に相談する
ハラスメントの可能性があるなどの状況では、職場の相談窓口の活用がおすすめです。
きちんとした部署であれば、
・プライバシーが守られる
・ガイドラインに沿った対応をしてもらえる
・客観的なアドバイスがもらえる
といったメリットがあります。
すぐに問題の指導医が解雇される、異動になるという可能性は低いです。ただ指導医の態度が変化する、周囲の監視が強くなる等の改善は、期待できます。
職場を変える
ここまで書いた方法で解決できない、あるいはすでに状況が深刻である場合は、職場を離れるという選択をすることになります。
対処⑦:異動を希望する
医局に所属している場合は、別の病院への異動を希望するという方法があります。
医局側も「問題のある指導医」について認識していることが多いため、理解されやすく、すんなり異動が実現するかもしれません。
一方で、「代りに誰が、その指導医の下につくか」ということが問題となり、実現しないことも多いです。
対処⑧:転職をする
自分で病院を探し転職をするという、いわば最終手段です。医局に属している場合は、医局も辞めることになります。
この方法のメリットとしては、確実に指導医から離れられる、転職先やタイミングを自分で選べるということが挙げられます。
デメリットは手間がかかること、変化が大きいことなどです。
内部で解決するのが基本
合わない指導医に当たってしまったとき、職場を変えるのではなく、自分や周囲の力で解決するというのが基本であり、理想です。
指導医が原因の転職を避けたい理由は、下記のとおりです。
・負担が大きい
・転職先にも指導医はいる
・転職理由として、ネガティブに取られやすい
異動・転職となると、大きな負担やリスクを追うことになります。自身の落ち度が少ないのであれば、理不尽な負担といえるでしょう。
また転職先にも指導医はいます。もし仮に良い指導医の下につけたとしても、その状況が続く保証はありません。
「転職先にも指導医はいるから我慢しなくてはならない」ということではありませんが、大きな負担をしたのに状況が改善しなかった、というのは避けたいものです。
また転職の面接では人間性が重視されるので、「人間関係で揉めた」と伝えるとネガティブな印象を持たれかねません。
転職をするのであれば、「指導医から離れたい」以外の理由やメリットも、自分の中で持っておくことをおすすめします。
転職したほうがいい状況
先程も書いた通り、職場を変えることなく解決を目指すのが基本です。ただ下記のような状況であれば、転職も選択肢に挙がってくるでしょう。
・現状維持の負担が大きすぎる
・改善しそうにない
・自身の成長が期待できる
・一人で完結する仕事へシフトする
現状の負担が大きすぎる
「ハラスメントや暴力を受けている」「精神的にきつくなってきた」など、あまりに負担が大きい場合は、転職を考えたほうがいいかもしれません。
「体調を崩すまで頑張る」「体調を崩してみせて、周囲に納得してもらう」ということは、全く考える必要はありません。
転職にもエネルギーを使うので、これに当てはまるのであれば、早めの行動をおすすめします。
改善しそうにない
時間をかけて解決を目指しても、改善しそうにない場合も、転職を検討すべきでしょう。
例えば、組織のトップ(部長・教授・院長)に問題があると、改善はかなり難しいです。
トップの考え方や人間性は組織全体に影響するため、そこに問題があると組織全体が良くない方向に進んでしまいます。トップダウンの働きかけも、期待できません。
ステップアップが期待できる
転職によって「指導医から離れられる」以外のメリットがありそうな場合です。例えば、下記のように。
・新たな知識や技術が、身につきそうな職場がみつかった
・給料や勤務時間など、待遇が改善しそう
あるいは現在、
・萎縮をしてしまって、仕事や成長に支障が出ている
・経験面で、制限をかけられてしまっている
ということであれば、転職がステップアップに繋がりやすいです。
こういった+αのメリットがあれば、自分としても決心をしやすいですし、転職候補病院からの理解もされやすいです。
一人で完結する仕事へシフトする
医師の仕事は多彩で、科や専門分野、雇用先の環境によっては、一人で完結しやすい状況を作ることができます。
このような方向にシフトしていくのであれば、転職という手段で、根本的に解決できるかもしれません。
医師が転科をする理由と、うまくいく人の特徴
まとめ
指導医と合わない、指導医が怖いといった状況への対策を解説しました。
・まずは自力で解決
成長する、交流をする、割り切る
・次に周囲に協力してもらう
味方を作る、上の医師や専門部署に対処してもらう
・最後の手段として職場を変える
異動を希望する、転職をする
転職が選択肢になるのは、下記のような状況です。
・現状の負担が大きすぎる
・改善しそうにない
・ステップアップが期待できる
・一人で完結する仕事へシフトする
さて、今回は以上です。
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