こんな疑問に答えます。
この記事を書いている僕は元医局員で、退局、転職を経て現在に至ります。
僕自身、それほど焦って転職活動をしなければならないわけでもなかったのですが、偶然が重なりトントン拍子に話が進みました。
その結果、転職活動を始めてから約1ヶ月半で、現在勤めている病院と契約を交わすことができました。
じっくり時間をかけて病院を探すのはメリットも多いですが、急いで転職活動をしなければならない場合もあるでしょう。
過重労働で体を壊す寸前であったり、とある大学病院のように急激な雇用条件の悪化が起こった場合などはこれに該当します。
今回は、僕の転職経験をもとに最短で病院を決めるまでの期間とそのポイント、急いで転職活動をするデメリットや注意点を書きました。
ではどうぞ。
常勤医師が転職先を決めるのにかかる期間は最短1ヶ月半
僕が、転職先を決めるまでにかかった期間は、転職エージェントに登録してから1ヶ月半です。
1ヶ月半というのはフルタイムで仕事をしつつ、無理なく常勤先を決めるまでにかかる期間の、ほぼ最短ではないかと感じています。
その理由を説明していきます。
1ヶ月半の内訳
では、1ヶ月半の内訳をみていきましょう。
0日:
転職エージェントに登録。
その日のうちに電話がかかってきてこちらの希望を伝える。
エージェントとの面談のアポイントメントを取り付ける。
~1週:
エージェントとの面談。候補病院の提示が始まる。
~2週:
候補病院について検討しつつ、自分の希望を固めていく。
気になる病院についてアポイントメントをとる。仕事を休む調整をする。
2週末までに、1病院目の面接ができるかどうか。
~1ヶ月:
~2週と同様。候補病院の検討、アポイントメント、仕事の調整、面接。
1ヶ月程度で、数病院の面接ができ、内定が出揃うイメージ。
~1ヶ月半:
複数の病院の内定を手に、悩む。
決心をして、エージェントを通して契約書の作成。医師、病院双方が契約書にサインをし、終了。
きちんと候補病院を吟味する、複数の病院を訪問する(面接をする)、内定が出てから考える時間をとる、など無理なく進めると、おそらく1ヶ月半はかかります。
短期間で転職先を決めるためのポイント
短期間で転職先を決めるためのポイントは3つです。
・エージェントを通すこと
・休みがとれること
・その他、準備が進んでいること
エージェントを通すこと
医師の転職活動には、エージェントを通す場合と、自分で病院を探す場合があります。
短期間で転職先をみつけようとするのであれば、エージェントを通すことを強くおすすめします(コネクションがあって、転職先の目星がついているという場合を除いて)。
エージェントは病院のリサーチだけではなく、多くの事務作業を肩代わりしてくれます。仕事をしながら、こういったことを全て自分で行うことは負担が大きく、時間もかかってしまいます。
また表向きには求人が出ている病院でも、情報が古く、実はもう人員が足りているということもあり、自分でこういった病院を検索していくのに、多くの時間がかかります。
こちらの記事では、転職エージェントが肩代わりしてくれる仕事について、詳しくまとめています。
【医師転職】転職エージェントがしてくれること【ポイントも】
休みをとれること
候補病院との面接は、ほとんどの場合、病院が開いている平日の昼間です。
このため、候補病院(面接官となる人達)と自分の予定を調整し、仕事を休まなくてはなりません。
この休みを早く取れるかどうかが、短期間に転職活動を終わらせる鍵になります。
普段の仕事や科の特色に加えて、周囲の理解を得られているかが重要になってきます。
準備が進んでいること
転職活動を始めた時点で、どれだけの準備ができているかも重要な要素となってきます。
自分や家族の心も含めた準備や、周囲の理解を得ることなどです。
「転職準備の詳細」は、こちらの記事に書きました。転職までに時間がある人に向けて書きましたが、急いでいる方も今から間に合うことがあるかも知れません。
医局を辞めたいと思ったら 医師の転職準備9選
急いで転職先を決めるデメリット
当然、急いで転職先を決めることは、デメリットも多いです。主なデメリットは次のとおりです。
自分や家族の希望が明確化しないうちに話が進む
自分や家族の心が追いつかないままに、話を進めていかなければならないということです。
転職活動をしてみてわかったのですが、自分がどういった病院に勤めたいかというのがはっきりと言語化できるまでに、ある程度の時間を要しました。家族も同様だったと思います。
「給料が高ければ他はどうでもいい」というような明確な基準があればシンプルですが、なかなかそうは行かないはずです。
もし転職を迷っている段階であれば、自分がどういったものを望むかを明確にしておいたほうが良いと思います。
検討できる病院は減る
当然ですが短期間で転職をしようと思うと、「その瞬間に求人がある病院」しか候補になりません。
まだまだ医師は売り手市場であり、数としてはそれなりにあるなという印象はありましたが、時間をかければその間に新たに出てきた求人も候補に入れることができます。
自分に合うエージェントを探す期間がとれない
・信頼でき、自分と合うエージェントを見つけることは大切
転職活動において、良いエージェントと一緒に進めていくことは非常に重要です。ここでいうエージェントとは、会社ではなく人です。
同じ候補病院のリストを渡されたとしても、自分の価値観を理解してくれているエージェントかどうかで、結果は変わってくると感じました。
なかなか雇用条件が並んでいるのを一人で眺めているだけでは、比較するのが難しいです。そこで「先生ですと、この病院はこの点がいいですが、この点がいまいちでしょうか」という提示の仕方をしてくれると助かります。
またエージェントを通して、病院への質問や交渉、契約をすることになります。これらは信頼できる人にお願いしたいものです。
・エージェントの良し悪しは関わってみないとわからない
さまざまな転職エージェント会社があり、ネットでは「転職エージェントランキング」なるものも山のように存在しています。
ただ転職活動をした感想として、「結局、個々のエージェント(人)と一定期間関わってみないと良し悪しはわからない」ということがあります。
転職活動に時間をかけるとすれば、信頼でき自分と合うエージェントをみつけることに、時間をかけるといいかなと思います。
いい病院との出会いは一期一会という話
上の項ではデメリットを書きましたが、短期間で転職先を決めることは悪いことばかりではありません。
むしろいい病院との出会いは一期一会で、決めるべきときには決めるのが大切だと感じています。
たった1ヶ月半の転職活動の間にも、新たな求人が出てきたり、気になっていた病院が他の医師と契約してしまったりと、転職市場はかなり流動的でした。
つまり2倍3倍と期間を伸ばしていったところで、手元に2倍3倍の候補病院を並べて吟味できると言うわけではありません。むしろいいポストはすぐに埋まってしまいます。
(ニュースになったような)大学病院からの大量離職というような事態になると、周囲の病院の良いポストは一瞬で埋まってしまうでしょう。
もしこういった事態が想定されるならば、ゆっくりとした転職活動がデメリットになるかもしれません。
まとめと僕の現状
常勤医師が転職先を決めるまでにかかる期間と、短期間で決めるメリット、デメリット、注意点を解説しました。
・常勤医師が転職先を決めるまでにかかる期間は最短1ヶ月半
・短期間で決めるポイントは
①エージェントを通すこと
②休みをとれること
③その他準備が進んでいること
・急いで転職先を決める注意点/デメリット
①自分や家族の希望が明確化しないうちに話が進む
②検討できる病院は減る
③良いエージェントを探す期間がとれない
・いい病院との出会いは一期一会
僕自身、転職活動の期間は短かったですが、いい転職ができたと感じています。
また僕が内定をもらったものの迷った末に断った病院も、すぐに別の医師を採ったという話を聞きました。
先程も書きましたが、医師の転職市場は流動的です。短期間で転職先を決めること自体は、必ずしも悪いことではありません。
まさに出会いは一期一会であり、万が一僕がまた転職活動をする事になっても、転職活動期間を気にせず、いい病院が見つかれば決めると思います。
今回は以上です。この記事が人生設計の参考になれば幸いです。
おすすめの転職エージェント
▼これらをおすすめする根拠はこちら▼
おすすめ医師転職エージェントはここ!各社への取材を元に徹底比較【根拠あり】
▼エージェント登録の方法など、転職活動の全行程はこちら▼
医師転職の流れを完全解説~エージェント登録から入職まで~
・面接は〇〇を通して申し込むのがおすすめ
・内定を保持しておけるのは、約○日間
・〇〇の時期は、気分が落ち込みやすいので心の準備を
など、重要ポイントも多数解説しています。