今回はこんな疑問に答えます。
この記事を読むと分かること
- お中元・お歳暮の一般論
- 実際に医師はどうしているのか
- 受け取ったときの対応
- 贈るのをやめたいと思ったら
医師の世界は、人付き合いも重要です。特に目上の人への礼儀には気を使いますよね。
今回のテーマは「お中元・お歳暮」です。一般的な内容から、医師界隈における「実際のところ」まで解説していきます。
一般的なこと
誰に贈るか
お中元・お歳暮を贈る相手に、明確な決まりはなく、感謝を伝えたい相手に贈るものです。主には目上の人に贈りますが、同世代以下の人に贈っても問題はありません。
医師の仕事で言うと一般的には、
・所属医局の教授や医局長
・直属の上司・指導医
・小さな規模の病院で働いているならば院長
などに贈ることが多いです。
贈る時期
お中元・お歳暮を贈る時期は、地域によって多少の差があります。
・お中元
東日本:7月上旬〜7月15日
西日本:7月中旬〜8月15日
・お歳暮
東日本:11月下旬〜12月20日前後
西日本:12月13日〜12月20日前後
金額
お中元やお歳暮の相場は、3000円~5000円くらいだと言われています。
特にお世話になっている人には、10000円程度のものを贈ることもあるようですが、翌年以降に金額を下げるのは失礼だとされています。
負担にならず、気持ちよく継続できる金額がおすすめです。
何を贈るか
「これを贈らなければならない」という、決まりはありません。相手の好みや家庭環境を考慮して選びましょう。
例えば、このように…
・お酒が好きな人ならば、お酒やおつまみを
・たくさんもらいそうな人ならば、保存が効くものを
・子供がいるところであれば、肉やお菓子を
・一人暮らしならば、調理が簡単で保存が効くものを
熨斗(のし)
熨斗には、内のし(贈り物に直接のし紙をかけ、その上から包装紙で包む)と外のし(贈り物を包装した上からのし紙をかける)があります。
宅配便で贈るときは内のし、直接持っていくときは外のしです。
このあたりはデパートやネット通販が良いようにしてくれるので、実際には気にしたことはありません。
挨拶状
本来であれば、お中元・お歳暮を贈る際には、挨拶状も送るというのが正式です。商品に同封する場合と、先に送り状だけを送る場合があります。ただ最近では、挨拶状は送らないという人も増えているようです。
挨拶状の文例については、こちら(楽天のホームページ)からどうぞ。
その他のマナー
続けるのが基本
この記事の後半でも書いていますが、関わりがなくなったなどのタイミングで、贈るのをやめることはできます。
ただ基本的には、一度贈るとその後も継続して贈り続けるものです(付き合いが続いている場合は特に)。この辺りを理解した上で、贈り始めたほうがいいでしょう。
「この度かなりお世話になったので、感謝を示したい」という場合は、お中元・お歳暮の時期を避け、「御礼」という形で品物を贈ることをおすすめします。
どちらかなら、お歳暮
お中元・お歳暮のどちらかのみにとどめたい場合は、「お歳暮だけ」にするのがマナーです。
慣習に従うのがおすすめ
「感謝を示したい目上の人」に贈るのが基本。とはいえ医師はお世話になる人が多く、全員に贈っていては、すごい数になってしまいます。
もちろん贈りたい人には自由に贈っていいのですが、もし迷うのであれば、その組織や部署での慣習に従っておくのがベターです。
贈るかどうかもそうですし、金額なども、年の近い先輩などに聞くと教えてもらえるはずです。
医局関連が多い
実際には、お中元・お歳暮を贈る文化があるのは、多くは医局関連です。具体的には、教授や医局長、研究などの直属の指導医などです。
大学で勤務している時だけではなく、関連病院に出向しているときも継続して贈るのが基本です。
ちょっとした裏技
大学を出て関連病院で働いているときには、「医局宛」にまとめて送ってしまうと楽です。
複数人に贈る煩雑さも減りますし、出費も若干減らせます(小声)。医局に届いたものは、欲しい人が欲しいだけ持っていくので、受け取る立場としてもいい方法です。
市中では慣習がないことも
市中病院内では、贈る慣習のないところが多い印象です(医局の関連病院も含めて)。
医局内外合わせて5つくらいの病院で勤務した経験がありますが、僕自身贈ったことはないですし、周囲の人でもあまりしていないようです。もちろん感謝を示したければ、贈って悪いことは全くありません。
個人~家族経営のような小さな病院であれば、院長に贈ることはあります。
ネット通販でもOK
「お中元・お歳暮は、デパートから贈るのが正式」という人もいますが、周囲の一定年齢以下の医師は、ほとんど楽天などのネット通販経由で贈っていました。
手間が少ないことや、ポイントが貰えることが大きなメリットですよね。ふるさと納税を使って、お中元・お歳暮を贈ることもできます。
お中元・お歳暮をもらったら
お中元・お歳暮は多くの場合は、目下の人が目上の人に対し、感謝の気持ちとして贈るものです。
このため、基本的にはお返しは不要です。お返しをしない場合は、受け取ったあとに、直筆でお礼状を書きます(到着の報告とお礼)。お礼状は、できるだけ早くに送りましょう。
お礼状の文例は、こちら(楽天のホームページ)からどうぞ。
ただ上司や同僚など、自分と同じ立場以上の人からいただいた場合は、お返しの品物を贈るのが一般的です。このときの金額は、贈られた品物の半額~同額までです。
贈らないとどうなるか
僕がいたのは、慣習のある医局だったのですが、実際何人かは贈っていないようでした。
そういった人たちも特に冷遇されることなく、順調に出世していましたし、具体的な不都合はなさそうです。
もちろんケースバイケースなのでしょうが、人間関係における手段の一つなので、ご自身が気分のいい方を選べばいいと思いますよ。
贈るのをやめたいときは
やめても構わない
「一度贈りはじめたものの疎遠になってしまい、やめてもいいものか迷う」というのは、よくある悩みです。
特に医師の場合は環境の変化も多いので、こういったことも多いのではないでしょうか。
結論として、お中元・お歳暮は贈るのをやめるのは、ありです(一般論としても、医師の世界でも)。
・現在、お世話になっている人
・今後も継続して、関りをもっていきたい人
これらに当てはまらない人は、やめることを検討してみてはいかがでしょう。
やめる方法は2つ
・スパッと辞める
・段階を経てやめる
突然贈るのをやめる方法もありますが、それは気が咎めるというのであれば、徐々にやめていくのがおすすめです。
お中元をやめてお歳暮だけにする(お中元だけにするは☓)
⇒暑中見舞いや年末の挨拶状だけにする
など、少しずつフェイドアウトする方法です。
まとめ
医師のお中元・お歳暮事情について解説しました。
ポイント
- 目上の人に、感謝を示すために贈るのが基本
- 一度贈ると、継続していくのが基本
- 医局関連では、慣習が残っていることも
- 慣習には、従っておくのがベター
- 慣習に従わなくても、問題はなさそう
さて、今回は以上です。