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フリーランス

医師がフリーランスになる理由7選。周囲へのうまい伝え方は?【現役フリーランス医監修】

2022年7月2日

フリーランスになる理由

 

現役フリーランス医に、その実態についてインタビューする本企画。今回のテーマは「フリーランス医になる理由」です。

常勤先を離れるというのは、大きな決断ですよね。なかなか決心がつかないという人も多いはず。そこで今回は「フリーランス医はどんな理由で決断に至ったのか」や「周囲へ伝える時のポイント」について解説します。

 

フリーランス医についての情報はネット上に多数みられるものの、ちょっと美化されていたり、心情面などの実態を反映していない情報もあるように感じます。

このブログでは、執筆時点で、

・非常勤勤務だけで生活をしている
・医師以外のビジネスを行っていない
・インフルエンサーではない

そんな一般的なフリーランス医・干菓子先生に、ありのままの実態を聞いていきます。

 

では、よろしくお願いします。
はいは~い。

 

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フリーランス医になる理由7選

 

① 時間を作るため

医師がフリーランスになる理由で、多くを占めるものの1つが「時間を作るため」ではないでしょうか。

「週に1~2日くらいでのんびり働きたい」という希望ですね。
確かにそういう人もいますが、それだけではないように思います。

 

常勤医師の、週あたりの勤務時間は下のグラフの通り。

引用元:第9回医師の働き方改革の推進に関する検討会 参考資料3

「正社員」の本来の労働時間である、週40時間(8時間×5日)を実現できている常勤医は、1割そこそこだということがわかります。中央値も週50-60時間、さらには週80時間を超えるブラック労働が常態化していることがわかります。

「人間らしい生活=週40時間くらいの勤務を実現したい」というごく真っ当な考えをきっかけに、フリーランスになる医師もいるわけですね。

 

結婚や出産を期にフリーランスになる人も、多くはこの理由に含まれると思われます。ちなみに男女別の、フリーランス=非常勤医師の割合は下記の通り。

フリーランス割合

引用元:日本医師会 病院における必要医師数調査結果

女性医師のほうが、ややフリーランスの割合が高いようです。全体の2割もの医師がフリーランスであると言うのは少し驚きですが、これには定年を迎えた医師もそれなりに含まれていそうです。

 

② 体調を崩したから

自身の体調を理由に、フリーランスになる医師も多いです。

医師以外の職業では、残業時間は原則年360時間まで、上限でも年720時間までと定められています。しかし先程のグラフで示した通り、常勤医の約半数は、この上限を超えて働いています(720時間/年の残業=14時間/週の残業=週54時間の勤務)

これでは、体調を崩してしまっても仕方がないですよね。

 

また過重労働が原因でなくても、何か1つ体調不良を抱えてしまったら、ハードな常勤医の仕事を続けることは難しくなります(100 %健康でどうにか…といったイメージではないでしょうか)。

フルタイムは厳しいけれど、週2回、3回ならば貢献できる。こういった人にはフリーランスが合うはずです。

 

③ 常勤医の働き方が合わないから

「常勤医としての働き方が自分に合わない」という人も、一定数みかけます。

確かに、常勤医って下記のような縛りを受けることが多いですよね。

・当直やオンコール、病棟業務が課される。
・研究や会議など、臨床以外の仕事が課される。
・中長期で人間関係を築かなければならない。
・住む場所が限定される。

 

これらは必ずしも悪いことばかりではありませんが、煩わしいと感じる人はいるでしょう。

最近では、個々の事情に合わせて業務を振り分ける組織も増えてきてはいますが、まだまだ十分ではありません。また穴埋めをする医師に支払われる対価が不十分なことも多く、引け目や不公平感を感じてしまうことも多いでしょう。

こういった人間関係を嫌気し、「自分のことは自分の責任で」とフリーランスの道を選ぶ人もいます。

 

④ 自分探し・ドロップアウト

初期研修修了直後や専攻医期間中の医師を中心に、若手医師としての働き方が合わずに、フリーランスになるという人が増えているようです。

もともと若手医師の勤務はきつくなりやすい上に、新専門医制度によって余計に負荷をかけられてしまっているように感じますよね。

 

このブログで転職エージェントに取材をした際にも、こういった声が聞かれました。

初期研修修了後に常勤はせず非常勤だけで働く先生もいらっしゃいますし、若手でフリーランスを選ぶ方は増えているように感じます。常勤医・フリーランス医を問わず、若い方ほどワークライフバランスを重視する傾向にあるのかもしれません。

(中略)フリーランスの先生から「やはり常勤医になりたい」といったご相談もよくあります。はじめから1年~数年など期間を決めて、フリーランスで勤務される先生もいらっしゃいます。

参照元:民間医局の取材記事

 

「一生フリーランスとして生きていくと決心して」というよりは、「一旦時間を作って、体調を整えて、改めてやりたいこと・できそうなことを探すために」という若手フリーランス医は、増えているように感じます。

今歩いている道に疑問を持ったとき、年数限定でフリーランスをやってみるというのはいい選択肢かもしれませんね。

人生って長いので。

 

⑤ 年収を増やすため

「短期で大きく稼ぐために」という理由もよく聞きます。例えば、開業・起業の資金のためとかですね。

一般的な常勤医の時給は5000円程度と言われていますが、非常勤医では時給10000円前後が相場となっています。医師不足の地域に行く、専門性を活かすなどすると15000円~くらいですね。

この時給で週5日働くと年収は、

10000円×8時間×5日×52週=約2000万円~

ということになります。

 

なかなかの高給ですよね。給料が低く抑えられている若手医師と比較すると、2倍近くになるのではないでしょうか。

 

⑥ 別のビジネスをやるため

副業・事業って、流行っていますよね。身の回りでもビジネスを始める医師を、ちらほらみかけるようになりました。

医療業界全体の先行きを不透明だと感じたり、一生医師として生きていくことに疑問を感じたりする人が増えたからかもしれません。

 

転職エージェントも、同じように感じているようです。

あまり収入にこだわりすぎず、ライフ重視にしたいからアルバイト中心の働き方を選ぶという方や、起業してメインのキャリアは医師以外で、副収入としてフリーランス医師を選択する、といった方は増えている印象があります。

参照元:Dr. 転職なびの取材記事

 

フリーランスになることで時間に余裕ができ、週に数日でも医師として働けばそこそこ良い生活が保証されます。医師というのは、ビジネスにチャレンジするのに向いている職業なのかもしれませんね。

このブログでも、医師の副業・事業について記事を書いています。

関連記事
医師の副業 徹底解説
医師の副業・事業について徹底解説~おすすめ業種・注意点・副業禁止の職場・税金など~

 

⑦ 定年を迎えたため

定年を迎えた後、勤務日数を減らして働く場合は、非常勤(=フリーランス)という立場になります。

この理由について多くを語る必要はないと思いますが、統計などでフリーランスとしてカウントされる医師の中には、定年後の医師も多く含まれていることには留意しておいたほうが良いかもしれません。

例えばこんな感じ。

・フリーランス医が増えている→定年後も働く医師が増えたから?
・フリーランス医の給料は〇〇→専門技術やコネクションがある定年後の医師を含んでいる?

 

現役フリーランス医の考え方

干菓子先生がフリーランスになった経緯や、考え方を聞いてもいいですか?
どうぞどうぞ。

 

フリーランスになった理由

Q. 干菓子先生は、どんな理由でフリーランスになったのですか?

A. 自分はイラスト方面の仕事に昔から憧れがあったので、それにチャレンジするための時間を作りたくてフリーランスになりました。

あと正直学生の頃から、自分は医師として本当にやっていけるのだろうか、という事はずっと不安に思っていて自信もかなり無くなってきていたため、一度小休止するためにというのもありました。

 

コメント

今は医療と関係のない分野でチャレンジするための準備をしていて、これから「お仕事にする」のを目標にされているわけですね。

また医師として働くことについて、ゆっくり考えるための時間でもあると。

 

周囲への伝え方

Q. 周囲へは、どのように伝えましたか?

A. 上でも書いた通り、フリーランスになる理由は以下の2つでした。

① イラスト修行の時間を作りたい
②  今後も医師としてやっていけるのか不安になったので、一旦離れて静かに考えたい

 

最初はイラストのことを言うのが少々恥ずかしかったのもあって、②のみを周りに伝えていました。

でも「不安だから」「医師の仕事から離れたい」という理由だけを伝えると、周囲の人は励ましや助言、引き止めといった流れになるんですよね。

辞めずに済むよう、他院の見学予定を取り付けてくれたり…もちろんありがたかったのですが、申し訳ないというか、辞めにくくもなってしまって。

 

その後、思い切って①も伝えた所、辞める方向に話を少しずつ進み始めました。前向きに受け取ってくれる方もいてくれて、最初から両方伝えておけばよかったかもと思いました。

「フリーランスになりたい理由」を、周囲に理解してもらわなければいけないわけではないし、全てを正直に言う必要もありません。ただ「何かしらやりたい事があるから」などポジティブな理由があるならば、それを伝えたほうが、スムーズに応援してもらえるのではないでしょうか。

 

気をつけたほうが良いこと

Q. その他、「フリーランスになる理由」に関連して、気をつけたほうがいいことはありますか?

A. どんな理由でフリーランス医になるかは人それぞれなので、特にありませんが…

しいて挙げるなら「常勤だと人間関係を続けなければならないのが嫌だから、フリーランスに」という理由が強すぎると、あまり良くないかなとは思います。

スポットでない限り、非常勤先のスタッフさんは変わらないので毎回会うメンバーはほぼ同じです。なので最低限の礼節・コミュニケーションは必要です。

「あの人は週1回くらいしか来ないし、話しかけにくいし、些細な伝達事項などは伝えなくてもいいだろう」等と思われると、1~2回ならともかく、積み重なったときに損してしまうので。

 

一例として参考にしていただけたらと思います。

 

まとめ

医師がフリーランスになる理由について、まとめました。

フリーランスになる理由

  • 時間を作るため
  • 体調を崩したから
  • 常勤医の働き方が合わないから
  • 自分探し・ドロップアウト
  • 年収を増やすため
  • 別のビジネスをやるため
  • 定年を迎えたため

 

さて、今回は以上です。この記事が進路を決める参考になれば、幸いです。

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