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フリーランス医師の年収は?年収を上げるポイントは?【現役フリーランス医師に聞いてみた】

2022年7月12日

フリーランス医年収

 

現役フリーランス医に、その実態についてインタビューする本企画。今回のテーマは「フリーランス医師の年収」です。

 

キャリア設計をしていく上で避けられないのが、収入のお話。大きな決断をするからには、収入の上乗せは期待したいですよね。そこでこの記事では時給の相場だけではなく、休暇や税金、安定性などの考慮しながらフリーランス医の年収事情について解説していきます。

 

フリーランス医についての情報はネット上に多数みられるものの、ちょっと美化されていたり、心情面などの実態を反映していないものもあるように感じます。

このブログでは、執筆時点で、

・非常勤勤務だけで生活をしている
・医師以外のビジネスを行っていない
・インフルエンサーではない

そんな一般的なフリーランス医・干菓子先生に、ありのままの実態を聞いていきます。

 

では、よろしくお願いします。
はいは~い。

 

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医師転職エージェント 比較記事はこちら

 

一般的フリーランス医師の年収の相場

 

時給から計算

まずざっくりと、時給相場から年収を計算してみましょう。医師の定期非常勤(アルバイト)の相場は1万円程度と言われています。このため、一般的に言われている年収はこんな感じ。

1万円×8時間/日×5日/週×52週=約2000万円

 

さらにもう少し、時給の良い非常勤ポストもありまして…

・時給1.5万円ならば、おすすめとして広告に書かれるレベル
・時給2万円ならば、一瞬で枠が埋まってしまうレベル

くらいのイメージです。

 

もし週1回の当直バイト(相場は5万円/日)を加えると、

5万円×52週+2000万円=約2300万円

となります。なかなか景気のいい話ですね。

 

ここからはもう少し掘り下げて、実態についてみていきましょう。

 

週に何日働くか

先程の年収2000万円~というのは、週に5日で1年間フルに働いた時の年収です。当然ですが、週4日ならば1600万円、週3日ならば1200万円...ということになります。

 

ちなみに日本医師会が全国4327の病院に行った調査によると、非常勤医師1人あたりの常勤換算率は0.2。つまり1つの病院で、1人の非常勤医師が得ているポストは、週に1日というのが基本ということになります(多くても2日)。

参照元:日医総研ワーキングペーパー

つまり週5日働くためには、3~5病院の非常勤ポストを絶え間なく維持し続ける必要があり、これはなかなか大変かもしれません。

日替わりでいろいろな病院に行くのは、労力も大きくなりがちです。

 

フリーランス医の声

横のつながりが強くないのではっきりは分かりませんが、身の回りのフリーランス医は週3、4日(人によっては5日)働いているようです。

 

解雇されないか

フリーランス医は、雇用主の都合でいつでも解雇されてしまう立場なので、収入はどうしても不安定になります。

確かに…1箇所解雇されると、最低でも400万円減ってしまうわけですね。

 

ちなみに、非常勤の雇用が冷え込んだ2020年前後の状況を、転職エージェント各社は次のように話してくれました。

都市部の急性期病院を中心に、病棟を空けるなどの影響で医師が余るようになり採用ハードルが高まりました。現在も昨年(2020年)ほどではありませんが、当直必須や年齢制限を設けるなど以前にはなかった応募要件が発生しています。

求人数自体は大きく変わっていませんが、前述のように採用ハードルが上がった影響で、急性期病院の応募できる先は減っています。

待遇面に大きな変化ございませんが、小児科や耳鼻咽喉科など外来中心の診療科は患者数減少に伴い以前よりも少し下がっています。

参照元:エムスリーキャリアエージェントの取材記事(2021年)

 

常勤に関しては大きな変化はありませんでしたが、非常勤については求人数が減少していたように思われます。

なお、待遇については大きな変化はなかった印象です。

参照元:医師転職ドットコムの取材記事(2021年)

 

当初は外来を中心に非常勤のポジションの減少が発生し、それによってアルバイト収入が減ったため常勤先の収入を増やしたいというニーズでの転職支援のご依頼をいただくことが増えました。

非常勤求人は一時期大きく減りましたが、2022年3月現在ではほぼ以前の水準に戻ってきています。

参照元:Dr. 転職なびの取材記事(2022年)

まとめると、

・社会情勢によって需要が落ち込むことは、確実にある。
・年単位でみれば回復しており、2022年現在は「実際に解雇をされ、かつ次の仕事がどうしてもみつからない」という可能性は低い。

ということのようです。

 

また想像ではありますが、「医師の働き方改革」はフリーランス医が仕事を得る上で、有利に働くはずです。

常勤と非常勤を合わせた労働時間の上限が設けられるため、常勤医がアルバイトをできる時間は減ってしまいます。さらに常勤医の負担を減らすために、非常勤医師を雇うという流れになっていくかもしれません。

 

祝日・休暇

常勤医は祝日などで仕事が休みでも給料は変わりませんが、非常勤医は休んだ分だけ給料が減ってしまいます。一般病院の外来など、祝日が休みになる非常勤ポストも多いですよね。

国民の祝日は年間16日なので、これだけで100万円~の差にはなりそうです。

 

 

フリーランス医の声

祝日の仕事については、職場によって異なります。例えば健診の仕事は祝日が休みになり、給料も無しです。つまり祝日=収入減です。逆に脱毛クリニックは、むしろ土日祝が稼ぎ時なので休みにはなりません。

 

 

また一般的には、パートタイム労働者も有給休暇を取得する権利は認められていますが、実際には「非常勤医を休むときに、有給休暇にするのが難しい」という病院もあるようです。

さらにパートタイム労働者では、付与される有給休暇の数も少なく設定されています。

有給

画像引用元:厚生労働省ホームページ

週1回のポストで、年間2日くらい=週5日働いて、年間の有給休暇は10日ということですね。実際に取得できているかはさておき、週5フルタイムの常勤医と比較したら、ちょっと少ないですよね。

 

フリーランス医の声

有給は取っていないですし、今のところ必要と感じることもないんですよね。ただ正直、非常勤なので訊きにくいなというのもあります。

 

休みによって収入を減らさないためには、「祝日も営業している病院を探す」「有給休暇が認められる病院を探す」といった工夫が必要になってきます。

 

常勤医師との比較【税金考慮】

続いては、医師全体の年齢ごとの平均年収と比較してみましょう。

年齢年収

画像引用元:ドクタービジョンホームページ

医師全体の年収傾向としては「年功序列」が根強く、40歳以降を中心に大きく増えるのがわかります。対してフリーランス=非常勤の時給は、年齢による差がない場合がほとんどです(最初に書いた通り、週5日フルで働いて2000万円~)。

 

さらに税金についても考慮してみましょう。雇用や家庭の状況によって多少変わるのですが、おおまかな額面年収ごとの手取りは以下の通り。

単位:万円

年収1100120013001400
手取り772829891946

 

医師の給料水準ならば、額面が100万円増えると、手取りは50-60万円くらい増えるイメージです。

結論として30代まではフリーランス医の圧勝ですが、40代以降、税金まで考慮するとイメージほど大きな差はつかないかもしれません。

 

転職エージェントの視点

フリーランス医師の収入に関する、転職エージェントの考えはこちら。「フリーランスとして高収入を得やすいのはどんな医師?」という質問に対する回答です。

 

最近は、以前と比べるとフリーランスとして活躍されているという方は少なくなったように感じています。(中略)外来や病棟管理のアルバイトでも、常勤先でしっかり臨床に携わっている先生が評価されることが多いですし、非常勤医の選考基準を高くしている医療機関も増えている印象で、フリーランスのほうが稼げる、というのはなかなか現実的には難しいように思います。

他方、あまり収入にこだわりすぎず、ライフ重視にしたいからアルバイト中心の働き方を選ぶという方や、起業してメインのキャリアは医師以外で、副収入としてフリーランス医師を選択する、といった方は増えている印象があります。

参照元:Dr. 転職なびの取材記事(2022年)

 

「楽で、めちゃくちゃ高収入で…」というフリーランス医師像というのは、やや美化されているのかもしれません。一部でものすごく稼いでいる人がいるのは、間違いないのでしょうけど。

 

ここまでの内容をまとめると、下記の通り。

・もしも週5回働き続けるならば、若手常勤医よりは圧倒的に高く、ベテラン常勤医よりも高い。
・ただし、「週5日未満の勤務・解雇・休暇などによる減額」「税金による差額の縮小」「医師歴に伴う差額の縮小」は考慮しておく必要がある。

 

フリーランス医が年収を上げる方法は4つ

 

ここからは、フリーランス医師が年収を上げる方法について解説していきます。

 

ニーズの高い専門性を持つ【何科が儲かる?】

一番は「ニーズの高い専門性を持つこと」です。具体的に言うと…

 

専門医資格をお持ちで、フリーランスで専門性を活かしやすいのは内視鏡、精神保健指定医、救急外来、眼科外来等です。手技や資格が必要な業務内容は重宝がられるように感じます。(もちろんエリアによってニーズの差はあります)

参照元:民間医局の取材記事(2022年)

 

民間医局が挙げている分野以外にも、うまく探せば様々な科で「おいしい非常勤先」があるようです。

ニーズの高い専門性を持てば、

・時給2万円くらいまでが基準
・時給3万円もうまく探せば可能

という相場感です。

僕が常勤の傍らやっているアルバイトや、知人の専門医フリーランスの時給が3万円くらいです...「もうちょっと上」もあるように思います。

 

専門医更新には注意【フリーランス潰し】

専門性を活かしてフリーランス医をする場合、「専門医資格の更新条件」には常に気を配っておく必要があります

有名なのは麻酔科ですね。「週3日以上常勤医として勤務すること」が更新条件となり、実質フリーランス麻酔科医はかなり厳しくなりました。

「フリーランス潰し」なんて呼ばれていますよね。

 

麻酔科ほどフリーランスに厳しい科は、執筆時点ではないようですが、人が増えている科を中心に「勤務実績基準」を設けている印象があるので要注意です。

関連記事
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専門医更新の難易度は?基本19領域の更新基準を比較してみた。

 

コネクションを増やす

フリーランス医が年収を増やすためには、コネクションを増やし、時給の良い非常勤先にアプローチをすることも重要です。

・知り合いからオファーされる、あるいは紹介をしてもらう
・別の医師から後任として譲ってもらう
・仕事が信頼してもらえて、病院側からオファーが来る

など。

 

本当に高時給の非常勤ポストは、転職エージェントを利用するより個人で探したほうが、みつけられる可能性が高い印象です。公募されているようなポストは、良いものからなくなっていくので。

とは言えみんなが最初から、多くのコネクションを持っているわけではありません。まずは転職エージェント経由で仕事をみつけ、時間をかけて徐々に人脈を増やし、仕事ぶりを評価され、次の仕事につなげていくという流れになります。

 

フリーランス医の声

以前は、他のフリーランス医も含めた懇親会や勉強会が定期的に開かれたりもしたのですが...このご時世でなくなってしまい、少しコネクションを広げにくくなったようにも思います。

 

安定性も考慮する

ポストを探す際に、「安定性も考慮する」というのもポイントです。

例えば私は…

・時給は低めだが、需要はなくならないし解雇もされにくいポスト
・時給は高いが、社会情勢によっては解雇の可能性もあるポスト

の2種類を、意識して掛け持ちするようにしています。

 

安定性を考慮することで、万が一の事態が起こっても収入が激減することはありませんし、「時給はいいけど不安要素のあるポスト」を見付けた時にチャレンジしやすいです。

「とりあえず時給の高いポストで勤務日を埋めれば良い」というわけでもないのですね。「バイトをしている常勤医」にはない視点かも。

 

別のビジネスをする

年収を増やすため、「医師以外の事業・副業をする」というのも有効でしょう。

実際ビジネスをされているフリーランス医は多いですよね。時間の自由があり、金銭的にも余裕があるので、親和性はありそうです。Dr. 転職なびからも「起業してメインのキャリアは医師以外で、副収入としてフリーランス医師を選択する、といった方は増えている印象があります」というコメントがありましたね。

このブログでも、医師の副業・事業の始め方ついて解説しています。

関連記事
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まとめ

フリーランス医の年収についてまとめました。

この記事のポイント

  • 時給は1万円~。これは週5日フルに働くと年収2000万円になる。
  • 当直をすれば更に上乗せが可能。
  • 若手医師よりは圧倒的に高年収。
  • ベテランになるにつれて差は縮まるが、それでも医師の平均値よりも高い。
  • 週5日未満の勤務・解雇・休暇などによる減額は考慮しておくべき。
  • ニーズの高い専門性を持つと、時給は跳ね上がる。
  • コネクションを増やす、別のビジネスをする、のも有効。

 

さて今回は以上です。この記事が、将来を決める参考になれば幸いです。

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