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転職

30代医師の転職で、意識しておきたい5つのこと

2021年6月3日

 

 

30代医師です。現在医局に属していますが、専門医資格を取得し、ある程度一人で仕事ができるようになってきたので、転職を考えています。30代の転職でなにか気をつけておくべきことはありますか。

30代というのは、

・医師の初回の転職として、最も多い時期
・売り手市場で、転職に適した時期

と言われています。

 

この記事を書いている僕も、まさに30代半ばで転職をしました

転職以前は医局に所属していました。専門医資格取得、博士号取得と充実した日々でしたが、もう少し自由でゆとりのある人生を送りたいと考えるようになり、転職を決意しました。

いい転職ができ、望んでいた生活やそれまで同様のやりがいのある仕事を手に入れることができました。

こんな経験を元に、転職を考えている30代医師が意識しておきたいこと、注意したいことをまとめました

この記事を読むと分かること

  • 30代で転職をするメリット
  • 30代の転職で気をつけたいこと

では、行きましょう!

 

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転職先にも上司はいる

 

医師の30代というと、専門医資格をとり、人によっては博士号も取得し、日々の仕事も一通り自分でできるようになる時期はないでしょうか。

その一方で、医師としてまだまだ未熟な点もあり、全て自分一人でこなせるというところには到達していない時期かと思います。

僕自身、未熟な点はあり「できないこともあるのに、転職をしても大丈夫か」という不安はありました。

 

ただ転職をしてみて、過剰に不安になる必要はなかったと感じています。

転職先にも、相談ができる上司やスタッフがいます。転職活動中に、頼れる人がいるかを確認することで不安のない環境を選ぶこともできます。

検討段階でスタッフの大まかなプロフィールは確認してもらえますし、面接のときには話をすることができますよ。

何でも一人でできる30代医師など、そうはいません。にもかかわらず、先程も書いたとおり、30代というのは医師として最も需要がある時期なのです。

経験年数相応の成長ができていれば、問題はないと考えています。

「これから○○を習得したい医師歓迎」という求人も、たくさんありますよ。

 

ポストが上がっていくと辞めにくくなる

 

医師の世界は、強力な年功序列制度が続いています。

このため30代以降は特に、年齢がとともにポストも上がっていきます

大学にいる場合は医員から助教、講師、准教授そして教授へと上がっていきます。市中病院にいる場合は医長、副部長、部長でしょうか。

(雇用条件がどれだけ良くなるかはさておき)ポストは着実に上がっていき、それに伴って担っていく仕事や責任は大きくなっていきます。

現在の所属先からの引き止めが強くなっていき、反対に市場からの需要は徐々に減っていきます。

特に大学病院では「常にポストを埋めなければならない」という事情があり、代わりもみつかりにくい場合があるため、引き止めは強くなっていきます。

先延ばしにしていくと、それだけ転職が難しくなります。

 

家族への影響が大きくなっていく

 

子供への影響

現在日本では、平均で31歳頃に第一子が誕生するとされています。

出産を契機に、子育てがしやすい働き方に変えるというのはもっともな事情です。

また自分が30代半ば~後半となってくると、子供も物心がついてきます。あるいは小学校に入る時期かもしれません。こういった家庭の変化から、転職を考える医師も多いです。

子供の年齢が上がるとともに、異動/転居の影響がどんどん大きくなっていきます。

また子供の教育に力を入れるのであれば、それほど不便でない土地に根を張らなければ難しいかもしれません。

さらにこの時期は、子供にお金がかかり始める時期でもあります。転職を契機に給料アップを望むのは自然なことです。

もし給料が大きくはアップしなくとも、

医局人事によって、今後どんな給料の病院で働くか見通しがつかない
⇒医局人事を離れ、先々の収入の大まかなメドが立つ

という変化が望めます。

子育てという点からも、30代は転職に適した時期です。

 

親への影響

自分が30代になるということは、親は定年を迎え始めるころではないでしょうか。

親の老後を考えるという意味でも、この時期に自分が根をおろせる場所をみつけておくというのは重要です。

地元に帰る、というのは転職の理由として多くきかれる理由です。

 

これからの成長を意識した転職を

 

30代は医師としてできることが増え、ふと一息つくタイミングかと思います。その一方で医師としての定年までには、まだ30年程度あります。

これまでバリバリ働いてきて、そのうえ過酷な転職活動をするのだから、少しのんびりしたいと考える方は多いのではないでしょうか。

あるいは大学やその関連病院といったところから離れるとなると、一線から引いてしまうような心持ちになってしまいがちです。

僕がまさにそうでした。

 

でも老け込むにはまだまだ早いですし、これまで習得した技術だけで、残り30年間食いつなぐのは難しいのではないでしょうか。

そういった意味で、転職先が成長していける環境かどうかを考えることは重要です。

医局を離れ転職をする以上、少なからずその後も市場価値の中に身を置いていくことになります。

自分の医師としての市場価値を上げていく、最低でも残りの30年間は維持していくということを意識した転職が望ましいのではないでしょうか。

いくら日々の仕事が楽でも、将来に不安があったら楽しくないかも。

 

年齢とともに給料は上がっていく

 

こちらの表は年代ごとの医師の平均年収を示したものです。

25-29歳30-34歳35-39歳40-44歳45-49歳50-54歳55-59歳60-64歳
男性676.5952.11262.81414.71503.91739.11745.21809.2
女性653.2855.910861317.81254.91510.618781361.7

単位:万円

引用元:民間医局コネクト【特集】医師×年収

30代前半から、定年にかけて上がっていくのが分かります(男性の場合。女性も大まかな傾向としては)。

医師は給料にも、強力な年功序列が働いています。

こういった影響からか転職をしても自分の年齢が変わらない以上、似たような仕事、似たような土地であれば、その瞬間に大きくジャンプアップするのは難しいかなという印象を持ちました(個人の感想ですが)。

ただ転職によって、ある程度のベースラインの底上げは期待できます。

つまり無理にジャンプアップさせなくても、ベースラインのアップと、長く働ける職場を手に入れれば、あとは年齢とともに給料は増えていく、ということは意識しておきたいです。

ちなみにこういったことも考慮して転職した結果、僕の給料は

医局に居続けた場合と比べて短期的には同程度、中長期でみると良くなった

です。

 

大きく給料を上げようと思ったら

転職活動を経て、

給料の大きなジャンプアップを達成しようとすれば、不便な土地や過重労働、自由診療やフリーランスなど当初の希望と異なる条件を選ばないと難しいかな...

というイメージをもちました。

 

このような事情を前にして、当時の環境に疲れキツイ転職活動をしていたとき、フリーランスや自由診療が視野に入った瞬間がありました。

もちろんこれらが悪いとは、全く思いません。

ただ先程も書いた通り、残りの医者人生が30年あることを考えると、これらが単純に「コスパがいい」というものでもないと思います。

フリーランスや自由診療の働き方は

・瞬間最大風速で大きく稼げる
・雇用が不安定になりがち
・市場価格の変動の煽りを受けがち

といった特徴があります。

こういった選択をする場合には、ファイナンシャルプランを立てることや、別の収入源をみつけるなど、それまでとは異なった方向性の努力が必要になってきます。

「現在の環境を変える」ということと、「短期で大きく稼げる環境に進む」ということは別の決断であり、同時に二つのことを進めているということは意識しておいたほうが良いかもしれません。

 

まとめ

さて、30代医師が転職にあたって意識しておきたいポイントをまとめました。

ポイント

  • 転職先にも上司はいる
  • 今後ポストがあがっていく
  • 家族への影響が大きくなっていく
  • これからの成長を意識した転職を
  • 年齢とともに給料は上がっていく

さらにこれらをまとめると、

・一般的にみて、30代が転職の良い時期
・まだまだ人生は長い

ということです。僕自身こういったことを現在進行形で、まさに体感しているところです。

今回は以上です。この記事が、人生を考えるきっかけになると幸いです。

 

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