こんにちは、ミナトです。
今回のテーマは「転科と医局」です。
僕自身は転科経験者ではありませんが、偶然これまでに転科経験のある医師と仕事をする機会が多くありました。
この方々と話をした経験、そして実際に転科を受け入れる側だった経験を元にこの記事を書きました。
以前、医師が転科をする理由と、うまくいく人の特徴という記事で、転科全般について解説しました。
今回はその続編で、医局にフォーカスしてまとめました。
この記事を読むと分かること
- 転科は、退局理由として「あり」だということ
- 転科の方法(医局にフォーカスして)
・転科は、退局理由としてよく聞く
医局に所属している状態から転科をするならば、今いる医局を辞める(退局する)ことになります。
実際、転科は退局理由としてよく聞きます。
という人も、よくよく話を聞くと
・医局人事が辛くて
・(医局に指示された)今の働き方が合わなくて
など「医局と合わない」という事情が、転科の動機の一つになっていることが多いです。
実際転科を理由に医局を離れるということには、メリットも多いです。主なものは下記の通りです。
・引き伸ばされにくい
・その後接する機会が減る
1つ1つ、みていきましょう。
理解されやすい
医局を辞める理由として、「転科」は比較的理解されやすいものです。
前向きな理由であり、今いる医局では満たせない希望だからです。
「今の働き方がつらい」「人事が合わない」などの理由は、医局運営に対する不満でもあるため、話がこじれる要因となりがちです。引き止めも、強くなりがちです。
こういったネガティブな内容を前面に出すことなく伝えられるため、スムーズに話が進みやすいです。
引き伸ばされにくい
退局を伝えた時に「もう少し待ってほしい」と、退局時期を引き伸ばされることがあります。
ただ転科が理由の退局で、引き伸ばしというのはあまり聞きません。転科する以上引き伸ばしても、転科希望者にはメリットがないためと推測されます。
ただ引き止めはかなりあるようです。引き止められる=医師として必要とされる人材であるということです。
その後の接点が減る
医局を辞めて同じ科で働く場合、大きく生活圏を変えない限りは、その後も医局と関わる機会がかなりあります。
地方であれば、まだまだ医局の力は強いです。何らかの邪魔をされるということはあまり聞きませんが、顔を合わせるのが気まずいということにはなります。
その点、転科をしてしまえば、同じ生活圏であっても接点は大幅に減ります。
これも退局+転科の大きなメリットです。
・転科の方法(医局にフォーカスして解説)
続いて転科の方法を、医局にフォーカスして解説していきます。
専門医資格の取得を目指すかどうかで、大きく異なります。
専門医資格取得を目指す
専門医資格取得を目指す場合は、新専門医制度にのる必要があります。
(科ごとに多少仕様が異なりますが)新専門医制度では基幹病院を中心としたプログラムに入り3年(以上)の研修を済まし、専門医試験を受けるという流れになります。
(制度の詳細は専門医機構のHPをご確認ください)
専門医資格をとる場合、新たに転科先の医局に入り直すか、医局に入らないかの選択肢があります。
医局に入り直す
医局に入り直す場合、自大学(現在所属している医局のある大学)の医局がまず選択肢に挙がるのではないでしょうか。
転科先の中堅くらいの知り合い医師に相談
➡転科先の教授に相談
➡自科の教授に伝える
という流れが、聞いた限りでは多いようです。
自科の教授に、転科を切り出す際のメールの文例を載せておきます。退局を伝える際の文例であり、転科に特化したものではありませんが、参考になると思います。
<転科を切り出すメールの文例>
〇〇教授
平素より大変お世話になっております。(現在〇〇病院で勤務しております)コアライ ミナトです。
A. 折り入ってご相談したいことがあるのですが、お時間をいただけませんでしょうか。お忙しいところ誠に申し訳ありません。よろしくお願いいたします。
B. 私事で申し訳ありませんが、今後のことについてお伝えしたいことがございます。〇〇日頃までに、一度お時間をとっていただけますと幸いです。
基本的には「うちの医局員をよろしく頼む」ということになり、受け入れてもらえることが多い印象です。
ただし、
・自分と今の医局の関係が悪い
・今の医局と転科先の医局の関係が悪い
という場合には受け入れられないということもあるので、話の進め方には注意が必要です。
医局に入らない
医局はもう懲り懲りという場合は、市中病院の専攻医プログラムに申し込むことになります。
ただこれらの病院は、どこかの医局の関連病院である場合が多いです。市中病院のプログラムであっても、入局の義務があるかどうかの確認が必要です。
入局せずに専門医資格を取りたいという需要は一定数あり、人気科や都市部では特に競合する傾向にあります。この場合はしっかりとしたリサーチや、早めの行動開始がおすすめです。
専門医資格取得を目指さない
専門医資格の取得を目指さない場合は、自分で病院を探すことになります。
この場合は、医師転職エージェントに依頼することができます(専門医資格を目指す場合は難しい)。
実際にエージェントさんに
と確認したところ、
と心強いお返事をいただきました。
一般的に、転職エージェントを使うと下記のようなメリットがあります。
・広範囲、多数の候補病院をリサーチしてもらえる
・質問/交渉などの事務作業を代行してもらえる
・きちんと契約書を交わした上で、働ける
さらにこの記事の読者さんに関係するメリットとして、
・「転科をせずに希望の働き方ができないか」も、並行して検討できる
・医局を辞める不安や葛藤なども、きいてもらえる
ということもあげられます。
転科を考えた場合は、転職エージェントに相談をしてみることもおすすめです。
・退局を伝える時期
退局は早めに伝えることをおすすめします。
基本的な考え方は「転科のない通常の退局」と同様ですが、転科先の人事にも配慮する必要はあります。
次年度の人事が決まる(連絡がある)タイミングの数ヶ月前が、人事を練っている時期ですので、その頃までには伝えたいものです。
経験上、半年か、もう少し前という印象です。
・まとめ
転科と医局というテーマで、解説をしました。
この記事のポイント
- 転科は、退局理由としてよく聞く
- 専門医資格を目指すかどうかで、方法は大きく変わる
- 専門医資格を目指さない場合は、転職エージェントに相談できる
- 退局を伝える時期は、次年度の人事が固まる前に
この記事が一歩を踏み出すきっかけになれば、幸いです。
今回は以上です。
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