こんにちは、コアライ ミナトです。自身の経験を元に、医師の転職や医局についてのブログを書いています。
今回は、医師転職エージェントの【Dr.転職なび】に取材をさせていただきました。
「コンサルタントはどんな人?」などサービスについてはもちろん、「職場を転々としないためのポイントは?」など転職の疑問を、ここぞとばかりにぶつけてみました。
実際に転職を経験した医師の目線で質問を厳選し、サービスを評価しています。転職を考えている方にも、そうでない方にも、参考にしてもらえる記事になったと思います。
Dr. 転職なびについて
利用者数
Q. どのくらいの医師が、「Dr. 転職なび」を利用されているのでしょうか?
A.
年間登録数:非公開
累計登録数:32000人
実際に常勤医として転職をする数:年間の転職紹介数は250人
実際に非常勤のポストを得る数:年間の非常勤紹介数は41300人(延べ数)
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最初のご回答から、おすすめポイントです。
このブログでは、大手を含めいくつもの転職エージェントを取材させていただいているのですが、基本的にどこも「業績は非公開」となっています。
業績の公開には、比較をされるというリスクもあるはず。これは「実績への自信」によるものだと思いますし、「きちんと情報公開をするという姿勢」は信頼に繋がりますよね。
独自の強み
Q. 「Dr. 転職なび」の、他社にはない強みを教えて下さい。
A. 弊社は医師転職エージェントではやや珍しい、分業制をとっています。
多くの他社エージェントさまでは先生の担当をするコンサルタントが求人開拓も同時に並行して担当されているものと思いますが、弊社では転職を希望される先生を担当するコンサルタントと、エリア内の医療機関の求人開拓・更新管理を担当する求人担当が、分業してチームを作り、先生の転職支援を行います。
先生の担当は原則あくまでも1人のコンサルタントが行いますが、医療機関の求人開拓・更新管理を担当する求人担当とチームになって転職支援を行います。求人担当は、エリア内の医療機関の採用担当者と定期的にコンタクトをとり、常に変化する募集状況をタイムリーにキャッチアップしています。
コンサルタントが聞き出した先生のご希望に合わせて、希望の転職を実現しうる医療機関を、スピーディーにかつ漏れなくリストアップすることが可能なので、幅広い選択肢を先生に提案することが可能です。コンサルタントは求人開拓を行わない分、先生の対応に専念できますので、一人一人の先生に寄り添った転職支援を行うことができます。
時には年単位で先生の転職のお手伝いをさせていただくこともあります。希望条件が特殊だったり、条件が難しかったりして転職先候補がすぐには見つからなかった先生からも、「エムステージ(Dr.転職なび)さんはしっかりと話を聞いてもらえて、希望する勤務先を見つけてもらえた」というお声も複数いただいています。
分業制においてはコンサルタントと求人担当が別であるため、情報齟齬・ミスマッチが起きないようにすることが非常に重要と考えています。転職ご支援中の先生について毎朝情報共有を行い、新たに転職支援のご希望をいただいた先生の情報は即座にチームで共有して、チーム一丸となって転職のご支援を行っています。
コンサルタントさん
Q. コンサルタントさんについて教えて下さい。
A. 全国で転職支援を担当しているコンサルタントは、20名程在籍しています。求人担当は全国に15名ほどです。このほかに非常勤の紹介を担当している担当者が在籍しています。
1年目から15年以上のベテランまで在籍しています。経験年数5年~10年がボリュームゾーンです。
Q. コンサルタントさんの技術向上のための試みは、何かされていますか?
A. 医療経営士資格は、全員保有しています。コンサルタントはもちろん、医師紹介にかかわる全員に医療経営士3級を取得することが求められています。上位資格の2級保有者も多く、全国に十数人しかいない1級保持者も複数名在籍しています。
そのほかに国家資格キャリアコンサルタント保有者も複数在籍しています。
また定期的に社内勉強会を開催しています。最近では2022年診療報酬改定や2024年の医師の勤務時間外上限規制について、働き方改革に関する勉強会を行いました。
Q. そういった資格や勉強会が、どのように活かされているでしょうか?
A. 医療機関の採用担当者から募集条件を聞き出すだけでは、その病院の地域で果たしている役割や将来性を把握することはできません。転職をする先生にとって、その病院が将来にわたって安定的に勤務することができる病院かどうか、ということは非常に重要です。
医療経営士資格の学習では医療機関の収益構造を理解することや地域医療構想など医療行政の方向性を把握することも求められるので、転職先のご紹介においても参考になる内容が多く含まれます。
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コンサルタントさんの質(候補の提示方法や相談の乗り方)って本当に重要で、ちょっとした会話が、決断にも大きく影響します。
外部から「コンサルタント全体の質」を評価するのは難しく、最終的には関わってみるしかないのですが、やはり会社を挙げての資格取得や勉強会といった試みは判断基準にはなりますよね。
評判・口コミ
30代 男性 内科
担当のキャリアアドバイザー・大久保さんは、きちんと自身の状況や譲れない条件を汲み取ってくれた上で求人調査や条件交渉をして、求人を案内してくれました。今回はそのなかで、「勤務地」「収入」そして当初優先度を下げていた「やりがい」のすべてにおいて妥協せずに希望が叶う施設と出会うことができて、とても満足しています。
引用元:Dr.Careerなび
対応エリア
Q. 特に力を入れている地域など、ありますでしょうか?
A. 全国対応しています。支社は札幌、仙台、東京、名古屋、金沢、大阪、福岡にあり、それぞれの地域特性に合わせてご紹介を行っています。
評判・口コミ
50代 男性 内科
エリア特性や医療情勢を理解して、これまでも地域に根付いた仕事をしてきた方に担当してもらえたことが良かったですね。もしかしたら、取り扱っている求人自体は他の求人サイトと大差ないのかもしれません。ただ、その求人を医師の希望に合わせてどのようにアレンジして提案してくれるのか、という部分で差が出る気がします。
引用元:Dr.Careerなび
キャリア相談
Q. 「Dr. 転職なび」で、キャリア相談はできますか?
A. もちろん可能です。
Dr.転職なびではエリアの医療機関の情報に精通した求人担当がいますので、ご希望の転職先のエリアではどのようなキャリアの医師が求められているのか、それぞれの病医院の特徴・想定される働き方など、病院ホームページなどの公開情報だけではわからない情報も提供可能です。
今住んでいる都市部と出身地へのUターンを並行して検討する、など複数のエリアをまたがっての検討も、専任コンサルタントとエリアの求人担当がチームを組んでご提案させていただきます。
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時間をかけて資格を取得し、そろそろワークライフバランス重視で働こうと思ったら、「あれ…この専門性、ほとんどの病院で使えない…」というのはよくある話です。
というアドバイスをもらい、そこから逆算してキャリア設計をするというのも1つの考え方ではないでしょうか。
Q. 医師歴何年目くらいから、利用をさせて頂けますでしょうか?
A. もっとも早い場合は、3年目の4月の勤務開始を目指して、初期研修2年目の秋ころからご利用いただいています。
初期研修を終えられて数年以内の若い先生方の多くは、まずは専行医として勤務しつつ「副業としてアルバイトで収入を増やしたい」というご希望の方が多く、弊社Dr.アルなびにご登録いただいております。
Dr.アルなびに登録いただいた場合、ご希望があればDr.転職なびのご登録と同様に将来のキャリアプランについてご相談に乗らせていただくことが可能です。
「すぐの転職は考えていないけれど、漠然と医師の転職ってどうなんだろう」とお考えの先生には、副業先探しの手伝いをしつつ、将来の転職について情報提供させていただきます。
また初期研修を終えて、専行医プログラムに進むか、美容医療に行くか、フリーランスか、はたまた医局に入るのか、と進路に迷われている先生に対しては、それぞれのメリット・デメリットをお伝えした上で、改めて先生がどんなキャリアを希望しているのか一緒に考えてみてはいかがですか、とご提案しています。
Dr. 転職なびの利用方法
まずは、ホームページから登録。
画像引用元:Dr.転職なび公式ページ
医師転職全般について
専門医資格
Q. 専門医資格は、常勤医の転職において、どのくらい重要でしょうか?
A. 「専門医を持っていないと応募できないポジション」というのが、確実に存在します。そういう意味では専門医を持っている方が選択肢が広がることは事実です。
また、専門医を持っているかどうかで待遇に差が出ることもあります。特に専門医を取得している医師の割合が高い診療科においては、専門医を取得していないことがマイナス評価になる可能性があります。
一方で在宅医療や健診・ドック、美容医療などあまり専門医資格の有無が転職に影響しない診療科もあります。先生の希望の働き方によって専門医を取得することのメリットは変わってきます。
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専門医資格って、普段働いているときにはメリットを感じにくいですよね。ただ、いざ転職となると、病院から信頼を得るためにも重要だと感じるかもしれません。
とはいえご回答にもある通り、全ての医師に必須かと言われると、そんなことはないはずです。専門医資格の取得を諦める、あるいは手放すとき、身近な人への相談やネット、SNSなど参考になる情報は多いですが、最も意味があるのは「資格の有無で、自分の市場価値がどう変わるか」という情報だと思います。
感染拡大
Q. 感染拡大によって、医師の転職市場にどんな変化があったのでしょうか?
A. 感染拡大当初は外来を中心に非常勤のポジションの減少が発生し、それによってアルバイト収入が減ったため常勤先の収入を増やしたいというニーズでの転職支援のご依頼をいただくことが増えました。
非常勤求人は一時期大きく減りましたが、2022年3月現在ではほぼコロナ前に戻ってきています。コロナワクチン接種のアルバイト求人が多くなってきてからは、一般臨床の非常勤求人の充足率が下がっています。
常勤求人は大きな変化はありませんでしたが、小児科・皮膚科などのクリニック求人が減った一方で、在宅医療クリニックからの依頼が増えた印象があります。
大量離職
Q. 医師の大量離職が、ニュースになることが増えたように思います。いざ起こると転職市場への影響が大きいように思いますが、早いうちから転職エージェントと関わっておくメリットはありますか?
A. 特定の医療機関の先生から複数のご相談を同時期にいただくケースはあります。個人情報につながるような情報はお伝えできないのですが、傾向としての他の先生方の動向はお伝えできることもあります。
弊社では求人担当がエリアの医療機関の採用担当者と常にコンタクトを取っていますので、○○科は来春に□名新規で入職予定、△△科はベテランの先生が退職してポジションが出る見込み、といった先々の情報も入ってきますので、すぐの転職を考えていらっしゃらなくても、希望されるエリアの転職市場について情報交換して検討材料としていただくことも可能です。
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待遇の良いポストは競合することが多いので、動き出しの早さがその後の生活レベルを左右しそうです。
転職に有利な科
Q. 求人数が多い科・少ない科があると思うのですが、何科医が転職しやすいでしょうか。
A. 求人数が多い診療科という意味では内科系が多いです。精神科や整形外科なども常に一定数の求人があります。
全国的には求人数がある診療科であっても、その地域に標榜している病院が少ない場合などは候補先が限られてしまいます。全国的に市中病院で標榜している施設が少ない小児外科や腫瘍内科、病理診断科などは求人数も少なくなります。
転職失敗
Q. 長く働ける職場を一回の転職でみつけられる医師と、職場を転々としてしまう医師で、違いや傾向はありますか?何回の転職から、マイナスのイメージを持たれるのでしょうか?
A. 年齢によっても変わってくるので一概には言えませんが、3年未満での転職を複数回繰り返していると、採用担当者から長く勤務してもらえないのではないかと懸念を持たれてしまうことがあるようです。
納得するまで転職活動を行ったうえで入職された方は、転職後も勤務先で長く活躍されている傾向があるように感じます。「すべてが理想の転職先」は存在しないので、意に沿わないことが起こっても、周囲と協力し合って解決し、自分で納得して決めた勤務先で希望のキャリアを築いていらっしゃる方が多いです。
一方で現職への不満から、知人に勧められるがままに比較検討せず転職をして早期退職になってしまった先生や、転職するたびにもっと好条件の施設があるのではないかと思い、短期間の退職を繰り返してしまう先生のお話も聞いています。共通するのは、エリア内の可能性をくまなくリサーチして「ここがベスト」という納得感が得られないまま転職活動を終えてしまったため、いざ入職後に不満が溜まり、すぐに他に目が向いてしまう点です。
忙しい先生が一人でリサーチするには限界があります。エリア内でどんな可能性があるのかくまなくリサーチするのは弊社の得意分野ですので、お役立ていただけるよう提案させていただきます。
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「転職活動をやりきった・十分に検討をしたという感覚」が、次のステップに進むために重要というわけですね。
フリーランス医師
Q. フリーランスとして、専門性を活かして高収入を得やすいのは、どんな医師でしょうか?
A. 最近は、以前と比べるとフリーランスとして活躍されているという方は少なくなったように感じています。
例えば以前は麻酔科フリーランスの先生も多くご利用いただいていましたが、やはり専門医の条件が影響していると思われますが、多くは今は別の働き方をされているようです。
外来や病棟管理のアルバイトでも、常勤先でしっかり臨床に携わっている先生が評価されることが多いですし、コロナ禍以降、非常勤医の選考基準を高くしている医療機関も増えている印象で、フリーランスのほうが稼げる、というのはなかなか現実的には難しいように思います。
他方、あまり収入にこだわりすぎず、ライフ重視にしたいからアルバイト中心の働き方を選ぶという方や、起業してメインのキャリアは医師以外で、副収入としてフリーランス医師を選択する、といった方は増えている印象があります。
そういった場合は効率的にアルバイト探しをすることが重要になりますので、アルバイト求人を多く扱っているエージェントを選ぶことが希望を叶える近道かと思います。
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これはちょっと意外ですね。「フリーランスになればすごく儲かる」というイメージがあったのですが...儲けている一部の人が目立つだけで、全体的な傾向は変わってきているのでしょうか。
転職のトレンド
Q. その他、ここ最近の医師転職市場のトレンドなどはありますか?
A. ワークライフバランスを重視する方が増えてきている印象です。今後は働き方改革の影響もあって、より働きやすい病院が選ばれる傾向は強まると思います。
また弊社ではセカンドキャリア、サードキャリアをお探しの先生からのご依頼も多く承っているのですが、自分に合った働き方で無理なく長く医師人生を続けたい、という先生も増えているように感じます。
まとめ
Q. 最後に、転職を考えている、迷っている医師の方に、一言お願いいたします。
A. まだ転職を具体的に考えていない先生も、まずはお気軽にご相談ください。Dr.転職なびは先生に様々な選択肢をご提示することで、先生が仕事を通して実現したいことをみつけるお手伝いをしたいと考えています。
まだ先の転職なので今相談してもよいものか迷っている、そもそもこんな条件の求人があるのかわからない、以前頼んだエージェントからは求人がないといわれてしまった、という方も弊社コンサルタントは先生のご希望に寄り添い、希望の転職先がみつかるまでお付き合いさせていただきます。
取材をしてみて感じた【Dr. 転職なびの強み】は、こちらの2つです。
・資格取得や勉強会など、人材育成に力を入れている。
・転職市場の状況から自社の業績まで、持っている情報をしっかりと提示してくれる。
また今回、質問をお送りしてから、約8時間でご回答をいただきました。これは「単に仕事が早い」というだけではなく、「常に転職市場や自社の状況を把握しながら仕事をされている(改めて調べる必要がない)」ということだと思います。
一言で言うと
というのが、僕の印象です。
・転職を考えている方
・Dr. 転職なびに興味を持たれた方
・その他、記事内容に関するご質問など
は、こちらからどうぞ。
では、今回はこれにて終了です。